セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍4

タイトル 消P-677:

切除不能/術後再発肝内胆管癌に対するTACEの治療成績

演者 松本 直樹(虎の門病院・肝臓センター)
共同演者 池田 健次(虎の門病院・肝臓センター), 瀬古 裕也(虎の門病院・肝臓センター), 今井 則博(虎の門病院・肝臓センター), 川村 祐介(虎の門病院・肝臓センター), 保坂 哲也(虎の門病院・肝臓センター), 小林 正宏(虎の門病院・肝臓センター), 斎藤 聡(虎の門病院・肝臓センター), 瀬崎 ひとみ(虎の門病院・肝臓センター), 芥田 憲夫(虎の門病院・肝臓センター), 鈴木 文孝(虎の門病院・肝臓センター), 鈴木 義之(虎の門病院・肝臓センター), 荒瀬 康司(虎の門病院・肝臓センター), 熊田 博光(虎の門病院・肝臓センター)
抄録 【目的】肝内胆管癌(ICC)の唯一の根治的治療は肝切除で、切除不能例や術後再発例では化学療法が行われる。TACEは通常、肝動脈支配の多血性腫瘍である肝細胞癌に有効で、ICCは乏血性とされるが肝動脈血も受けており、理論上は肝動注や化学塞栓療法も有効と思われる。我々はこれまでICCにTACEを行ってきたので成績を報告する。【方法】対象は1984年~2010年に当院でTACE中心に治療した切除不能/術後再発ICC 17例。男/女:9/8、年齢51~83歳(中央値65歳)、背景肝は正常肝/慢性肝炎/肝硬変:5/2/10、原因はHBV/HCV:1/12。術後再発/切除不能:3/14。Stage 1/2/3/4A/4B:1/3/6/4/3。使用薬剤はEpi-ADM/白金製剤/Epi-ADM+白金製剤/MMC/不明:5/5/5/1/1。後治療は9例で行い内訳は放射線/肝動注/GEM /PEI:3/6/2/1(重複あり)。当院でGEM単独投与を行った12例(Stage1/2/3/4A/4B:0/0/2/4/6、正常肝/慢性肝炎/肝硬変:9/3/0)、GEM+CDDP(GC)を投与した5例と予後を比較した。【成績】1)TACEの回数は1~6回(中央値1回)。血管造影で腫瘍濃染は15/17例(88.2%)で見られた。リピオドール集積は部分的な集積も含め評価可能な範囲で5/9例(55.6%)。2)治療効果はTACE群はCR/PR/SD/PD :0/3/4/10で奏功率17.6%、病勢コントロール率41.2%、GEM群はCR/PR/SD/PD:0/2/5/4で奏功率15.3%、病勢コントロール率63.6%。3)全生存期間(OS)は中央値452日vs283日vs251日でLogrank検定で有意差無し。無増悪生存期間(PFS)は中央値143日vs141日vs256日でTACEvsGEM、GEMvsGCでは有意差無く、TACEvsGCでP=0.0253であった。4)肝不全死した症例は無く死亡例は全例癌死だった。5)TACEの抗癌剤による比較はEpi-ADM群と白金製剤群でOSは中央値620日vs117日(P=0.0615)、PFSは中央値200日vs57日(P=0.0615)。【結論】本検討ではICCへのTACEはGEM単独と同等の治療成績が得られた。使用薬剤はEpi-ADMが白金製剤よりやや良好な傾向を示した。
索引用語 肝内胆管癌, TACE