セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍4

タイトル 消P-679:

進行肝細胞癌に対する動注化学療法の検討

演者 小倉 英(三重大附属病院・消化器・肝臓内科)
共同演者 山本 憲彦(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 白木 克哉(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 稲垣 悠二(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 爲田 雅彦(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 草川 聡子(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 野尻 圭一郎(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 別府 徹也(松阪中央総合病院・胃腸科), 杉本 和史(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 竹井 謙之(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 山門 亨一郎(三重大附属病院・放射線科), 竹田 寛(三重大附属病院・放射線科)
抄録 【背景】経皮的局所治療や肝動脈塞栓療法が適応外の進行肝細胞癌や、過去に治療を繰り返し経皮的局所治療や肝動脈塞栓療法でコントロール困難となった肝細胞癌は治療に難渋することが多い。このような症例に対して様々な動注化学療法が施行されているが、標準治療は確立されていない。そこで、局所治療および肝動脈塞栓術不能例に対し、low dose FP動注療法とCDDP動注療法、ミリプラチン動注療法の成績を比較した。
【方法】当院にて局所治療、肝動脈塞栓療法の適応を外れた症例のうち動注化学療法を施行した症例の中でCDDPワンショット動注、リザーバー動注化学療法、またはミリプラチン動注療法を施行した90例を対象とした。方法はリザーバー動注:CDDP10mg/1h+5FU250mg/12hの5日間連日投与、2日休薬を1クールとし4-6週毎に施行。CDDPワンショット動注:アイエーコール65mg(上限1回100mg、肝予備能低下、腎機能低下、骨髄抑制例は減量)リピオドール5~10ml懸濁動注療法を施行。ミリプラチン動注:ミリプラチン70mgの動注を施行。治療効果が少ない場合、上記治療法を変更した。
【成績】アイエーコール投与例での1年生存率は78%、2年生存率は46%であった。進行性肝細胞癌症例での検討では奏効率については全体で41%であり、また単独動注群とリピオドール動注群を比較してもリピオドール動注群ではCR例がみられ47%と有意な奏効率を得られた。low dose FPリザーバー動注施行にて無効であったがCDDP動注変更にて奏効を来たす症例を認めた。逆に、CDDP動注にて無効であったがlow dose FPリザーバー動注で著効した症例も認められた。しかし、ミリプラチン動注の奏功率は28%と低かった。
【考察】動注化学療法で奏功を示す症例があり、集学的治療の組み合わせの一つとして動注化学療法も候補になり得ると考えられたが、今後の症例の積み重ねが必要である。
索引用語 肝細胞癌, 動注化学療法