セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍4

タイトル 消P-680:

高度進行肝細胞癌に対するアイエーコール肝動注化学療法の成績

演者 梶山 祐介(杏雲堂病院・消化器肝臓内科)
共同演者 佐藤 新平(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 河井 敏宏(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 佐藤 隆久(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 菅田 美保(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 小尾 俊太郎(杏雲堂病院・消化器肝臓内科)
抄録 【目的】高度進行肝細胞癌に対するアイエーコールを用いたシスプラチン肝動注化学療法の安全性と有効性を検討する。【対象・方法】2005年8月から2011年3月までにアイエーコールによる肝動注化学療法が113例に施行された。今回はこの内、添付文書通りの用法、つまり約30分かけて動注した進行肝細胞癌15例を対象とした。治療は奏功が認められている内は1-2か月間隔で繰り返した。平均年齢は66歳、成因はHBVが4例、HCVが11例、Child-Pugh分類はAが12例、Bが2例、Cが1例であった。肝癌Stageは3が1例、4Aが11例、4Bが3例であり、門脈腫瘍栓は12例(80%)に認めた。前治療としてIFN併用5FU肝動注療法(IFN/5FU)症例は9例(60%)に施行された。ソラフェニブ投与例はなかった。以下の検討を行った。奏効率、病勢コントロール率、生存期間、肝機能、腎機能の推移、副作用の有無。【結果】アイエーコールの平均投与回数は2回(1~4回)で、1回投与量の平均は92.2mg/bodyであった。治療効果はCR2例、PR1例、SD5例、PD7例で、奏効率20%、病勢コントロール率53.3%であった。アイエーコール肝動注化学療法開始後の生存期間中央値(MST)は10.5ヶ月であった。現在も15例中7例が存命中であり、CRの2例は32ヶ月以上の長期生存が得られている。前治療としてIFN/5FUが施行された9例では、初回IFN+5FU動注化学療法開始からのMSTは13.1ヶ月であった。投与後、2週間後、及び1ヶ月後の肝機能、腎機能測定値は投与前と比べ有意な変化は認めず、副作用で治療中止となった症例もなかった。【結論】アイエーコール肝動注化学療法は安全に繰り返し治療が可能であり、病勢コントロールも良好であった。ステージ4が80%、他の抗癌剤による前治療例が60%の症例から考えると、10.5ヶ月のMSTは良好であるといえる。
索引用語 肝細胞癌, アイエーコール