セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍5

タイトル 消P-684:

5FU-IFN動注化学療法不応の進行肝細胞癌に対するNew FP療法の治療効果・合併症の検討

演者 谷口 博順(日赤医療センター・消化器内科)
共同演者 吉田 英雄(日赤医療センター・消化器内科), 中田 史子(日赤医療センター・消化器内科), 白田 龍之介(日赤医療センター・消化器内科), 濱田 毅(日赤医療センター・消化器内科), 伊藤 由紀子(日赤医療センター・消化器内科), 水野 英雄(日赤医療センター・消化器内科), 光野 雄三(日赤医療センター・消化器内科), 中田 良(日赤医療センター・消化器内科)
抄録 【背景と目的】
当科では主に手術不能な進行肝細胞癌(Vp3,Vp4)患者に対して5FU-IFN動注化学療法を施行しているが、5FU-IFN不応例には後治療としてSorafenib/TACE+Radiation/New FPなどを追加している。進行肝細胞癌にSorafenibが一定の効果を示すことが示されているが、腫瘍の縮小を認める例は数%程度であり、自験例では重篤な副作用が高頻度に経験されている。どの後治療が適切かについては明確なEvidenceがないが、NewFP療法を行うことで良好なコントロールを得られる例が経験される。合併症等も含めて報告する。

【症例1】
70歳女性 non B non C HCC.2010年5月に近医にてHCC指摘、当院肝胆膵外科紹介。初診時すでにVp4であったが、右葉にTACEを3回繰り返した後8/23右葉切除施行。その後PVTT再発をみとめ9/28消化器内科へ紹介・転科となる。10月より3Kur 5FU-IFN動注施行するもPDとなり、2011年1月からはNew FP変法に変更したところ腫瘍マーカーも低下に転じ、現在良好なコントロールにて生存中。

【症例2】
73歳男性(原発不明癌)。2007年5月腹部CTにて多発肝腫瘍を指摘。肝生検等の結果原発不明の腺癌の可能性にて6/25当科転科。順にGEM →S-1 →S-1+ CDDP 2Kur施行。その後5-FU+IFN動注を4クール施行、2008/8/18からは New FP 療法2Kur施行。5FU-IFN施行時は特に合併症(-)だがNewFP 2kur終了時に出血性十二指腸潰瘍を発症。出血性ショックにて死亡、剖検にて深い十二指腸潰瘍・血管壁の断裂などを認めた。同症例では胃十二指腸動脈よりも左肝動脈が近位で分岐しており、IA call 懸濁 lipiodolが胃十二指腸動脈コイル塞栓後の新生血管に流入した可能性が示唆された。

【結論】
5FU-IFN動注不応例でもNew FP療法にて良好なコントロールが得られることがあるが、腸管などへの側副血行路の発達に適宜Coilinigを追加するなどの対処が必要である。
索引用語 肝細胞癌, New FP