セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍5

タイトル 消P-685:

ミリプラチン水和物を用いた肝動脈塞栓術の安全性および有効性

演者 齋藤 圭(三井記念病院・消化器内科)
共同演者 大木 隆正(三井記念病院・消化器内科), 藤原 弘明(三井記念病院・消化器内科), 佐藤 公紀(三井記念病院・消化器内科), 吉村 英子(三井記念病院・消化器内科), 近藤 真由子(三井記念病院・消化器内科), 井原 聡三郎(三井記念病院・消化器内科), 高木 馨(三井記念病院・消化器内科), 中塚 拓馬(三井記念病院・消化器内科), 関 道治(三井記念病院・消化器内科), 戸田 信夫(三井記念病院・消化器内科), 塩田 吉宣(塩田病院), 田川 一海(三井記念病院・消化器内科)
抄録 【目的】肝細胞癌(HCC)に対するミリプラチン水和物(ミリプラ)動注療法は広く行われている。しかしながら、ミリプラと肝動脈塞栓術(TACE)との併用に関しては、安全性および有効性が確立されていない。今回我々は、HCCに対するミリプラTACEの安全性および有効性について検討した。【方法】2010年3月から2010年12月までにミリプラTACEを行ったHCC患者32例を対象とした(最終フォローアップ日は2011年2月)。これらの対象患者に関して、ミリプラTACE治療前後の肝機能・腎機能の変化、副作用をはじめとする安全性、また有効性(mRECISTに準拠)についてそれぞれ検討を行った。治療後の評価CTは、治療日から約2ヵ月後に撮影した。【結果】ミリプラTACE後の平均観察期間174日、平均年齢73.3歳、男性26例(81.3%)、HCC初回治療4例(12.5%)、Child-Pugh B/C 9例(28%)、平均eGFR 63.5 ml/min./1.73m2、平均腫瘍径28.1mm、平均腫瘍個数8.0個であった。治療に伴う肝機能障害(CTCAE v3.0)はGrade1 41%、Grade2 37.5%、Grade3 12.5%、Grade4 3%であった。また、Grade1 25%、Grade2 9%の嘔気症状が見られた。腎機能を含め、その他に関しては副作用を認めなかった。治療後の効果判定では、奏功率(CR+PR) 59%、制御率(CR+PR+SD) 75%であった。【結語】全例に対して安全にミリプラTACEを施行することができた。短期の治療成績に関しては、奏功率(CR+PR) 59%、制御率(CR+PR+SD) 75%と比較的良好であった。今後更なる症例の蓄積と長期の経過観察が望まれる。
索引用語 ミリプラチン水和物, TACE