セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-腫瘍5 |
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タイトル | 消P-686:肝細胞癌に対するミリプラチンの使用経験 |
演者 | 新井 弘隆(前橋赤十字病院・消化器内科) |
共同演者 | 会澤 大介(前橋赤十字病院・消化器内科), 小林 修(前橋赤十字病院・消化器内科), 田中 秀典(前橋赤十字病院・消化器内科), 上野 敬史(前橋赤十字病院・消化器内科), 大塚 修(前橋赤十字病院・消化器内科), 加藤 真理(前橋赤十字病院・消化器内科), 佐川 俊彦(前橋赤十字病院・消化器内科), 豊田 満夫(前橋赤十字病院・消化器内科), 高山 尚(前橋赤十字病院・消化器内科), 阿部 毅彦(前橋赤十字病院・消化器内科), 森 一世(牧田総合病院) |
抄録 | 【目的】肝細胞癌に対してミリプラチンを使用した症例について、その早期治療効果や有害事象について検討した。【方法】2010年2月から2011年1月までに当院にて肝細胞癌に対してミリプラチンを投与した146例を対象とした。平均年齢は69.5歳、男女比は107:39。成因はHBV 8例、HCV 118例、その他20例で、Child A 105例、B 38例、C 3例。初発例が34例、再発例が112例で、進行度分類は、Stage1・31例、2・41例、3・49例、4A・12例、4B・13例。最大腫瘍径10~160mmで、中央値24mm。TAI 30例、TACE 116例で、脈管浸潤は12例。治療効果は2009年肝癌治療効果判定基準に準じ、標的結節治療効果度(TE)で判定し、有害事象はCTCAE ver. 4を用いた。【成績】薬剤総使用量は4~120mgで、平均55.9mg、中央値50mg。全症例の治療効果は、TE1・9%、TE2・34%、TE3・40%、TE4・17%であった。有害事象は発熱、悪心・嘔吐、疼痛、腹水、脳症、検査値異常で、Grade3以上の副作用は、発熱、腹水、ALT上昇、PLT低下であったが、すべて一過性であった。146例中24例の全肝多発症例に対して、ミリプラの全肝投与を行なった。24例の薬剤総使用量は、60~120mgで、平均94.4mg、中央値100mg。治療効果はTE3・33%、TE4・0%で、有害事象はGrade 3以上の発熱、ALT上昇、PLT低下であった。複数回全肝投与後のChild-Pugh score の経時的推移では、統計学的に有意な低下はみられなかった。【結論】ミリプラチンは肝細胞癌に対して、比較的安全に使用でき、早期治療効果も満足できるものであった。全肝投与は決して推奨できる治療法ではないが、症例によっては、複数回行なっても短期的にはあまり肝予備能を損なわないため、多発症例に対する治療効果をあげる手段として投与間隔をせばめて使用するなどの工夫が可能な薬剤と考えられた。長期的な有効性と安全性については、今後さらなる治療経験の集積と検討が必要である。 |
索引用語 | 肝細胞癌, ミリプラチン |