セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍5

タイトル 消P-687:

肝動注療法における2nd lineとしてのミリプラチンの当院での使用経験

演者 牟田 優(北野病院・消化器センター消化器内科)
共同演者 福永 豊和(北野病院・消化器センター消化器内科), 木村 典世(北野病院・消化器センター消化器内科), 廣橋 研志郎(北野病院・消化器センター消化器内科), 西川 義浩(北野病院・消化器センター消化器内科), 渡辺 昌樹(北野病院・消化器センター消化器内科), 佐久間 洋二朗(北野病院・消化器センター消化器内科), 熊谷 奈苗(北野病院・消化器センター消化器内科), 加藤 洋子(北野病院・消化器センター消化器内科), 工藤 寧(北野病院・消化器センター消化器内科), 小田 弥生(北野病院・消化器センター消化器内科), 山内 淳嗣(北野病院・消化器センター消化器内科), 藤田 光一(北野病院・消化器センター消化器内科), 吉野 琢哉(北野病院・消化器センター消化器内科), 高 忠之(北野病院・消化器センター消化器内科), 大橋 真也(北野病院・消化器センター消化器内科), 浅田 全範(北野病院・消化器センター消化器内科), 川口 清隆(北野病院・消化器センター消化器内科), 八隅 秀二郎(北野病院・消化器センター消化器内科)
抄録 【背景】肝細胞癌に対する治療法として外科的切除・RFAの適応がなく遠隔転移などがない場合にTACEが施行され、選択する抗癌剤としては経験的にエピルビシン・マイトマイシンが多く使用されている。リピオドールに親和性の高い脂溶性白金製剤であるミリプラチンが2010年1月に初めて認可された。当院ではエピルビシン・マイトマイシン無効と判断した場合に2nd lineとしてミリプラチンを選択している。【目的】当院におけるミリプラチンの使用成績について評価しその有効性、安全性などの問題点について検討した。【対象と方法】対象は2010年1月から2011年3月までに2nd lineとしてミリプラチンを用いてTACEを施行した肝細胞癌19例。肝障害度はChild-Pugh Aが18例、Bが1例であった。ミリプラチンの投与量は全例70mgであった。約1ヵ月後にCTを撮影し標的結節治療効果度(TE)に基づいて治療効果を評価した。【結果】治療評価が可能であった15例について検討を行った。肝癌の病期はstage2が4例、3が9例、4aが2例であった。治療効果はTE:1が8例、TE:2が7例であった。AFPが術後1ヶ月で10%以上低下した症例が4例、同様にPIVKA-2が低下した症例は6例であった。無増悪期間中央値は71日間であった。有害事象としては発熱が2例、AST/ALTやBilの上昇が4例に認められたがいずれも一過性のものであった。【結語】TACEにおける2nd lineとしてのミリプラチンは従来薬と比較しても安全に使用できると考えられた。今後塞栓剤との併用への適応拡大も期待され、さらなる症例の蓄積とprospectiveな比較検討が必要であると考えられた。
索引用語 肝細胞癌, ミリプラチン