セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍5

タイトル 消P-688:

肝細胞癌に対するミリプラチン使用経験とその治療効果についての検討

演者 田村 康(新潟大大学院・消化器内科学)
共同演者 土屋 淳紀(新潟大大学院・消化器内科学), 上村 顕也(新潟大大学院・消化器内科学), 矢野 雅彦(新潟大大学院・消化器内科学), 高村 昌昭(新潟大大学院・消化器内科学), 五十嵐 正人(新潟大大学院・消化器内科学), 川合 弘一(新潟大医歯学総合病院・検査部), 山際 訓(新潟大大学院・消化器内科学), 須田 剛士(新潟大大学院・消化器内科学), 大越 章吾(新潟大大学院・消化器内科学), 野本 実(新潟大大学院・消化器内科学), 青柳 豊(新潟大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】肝細胞癌に対する肝動注用脂溶性プラチナ製剤であるミリプラチンの使用経験とその治療効果について検討したので報告する。【方法】対象は肝癌患者33例、男性19例、女性14例。背景肝疾患はHCV抗体陽性22例、その他11例。腫瘍進展度はStageII 10例、StageIII 20例、StageI∨ 3例。最大腫瘍平均径は30mm、腫瘍数は単発2例、2-3結節13例、4結節以上18例、アイエーコール動注の前治療歴無しは10例、有りは23例であった。ミリプラチン治療後1ヶ月以降の治療対象結節の縮小率を評価し、その治療効果について検討した。【結果】ミリプラチン平均投与量は78mgであり、ミリプラチン単独治療例が22例、アイエーコール併用例が11例であった。治療効果判定までの平均日数は81日(±33日)であった。最大腫瘍の腫瘍内リピオドール沈着残存は33例中20例が20%未満であった。治療対象結節の縮小率は50-100%縮小(PR)が2例、50%縮小から25%増大(SD)が18例、25%以上増大(PD)が13例であった。PRもしくはSD症例群とPD症例群の2群に分け、治療前の因子との関連を単変量解析した結果、PRもしくはSD群に、アルブミン高値例(p=0.018)、PIVKAII低値例(p=0.005)、腫瘍個数が4未満の症例(p=0.011)、アイエーコール治療歴の無い症例(p=0.002)が有意に多く認められた。特に、アイエーコール動注の前治療歴の無い10例は全例PRもしくはSDであったのに対し、前治療歴の有る23例では13例がPDであった。【結論】肝癌患者33例にミリプラチンを使用し、その治療効果について検討した結果、アイエーコール動注の前治療歴の無い症例はミリプラチンの治療効果が高い可能性が示唆された。今後も塞栓術併用を含めたミリプラチン使用症例の集積と治療効果の解析検討が必要である。
索引用語 肝細胞癌, ミリプラチン