セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍6

タイトル 消P-690:

当院における肝細胞癌治療におけるミリプラチン治療の位置づけ

演者 長谷川 浩司(国立三重中央医療センター・消化器科)
共同演者 川村 智子(国立三重中央医療センター・消化器科), 子日 克宣(国立三重中央医療センター・消化器科), 加藤 裕也(国立三重中央医療センター・消化器科), 竹内 圭介(国立三重中央医療センター・消化器科), 亀井 昭(国立三重中央医療センター・消化器科), 渡邉 典子(国立三重中央医療センター・消化器科)
抄録 【目的】平成22年1月より肝細胞癌の治療に動注用ミリプラチン製剤の使用が可能となった。今回我々はミリプラチン製剤の有用性及び使用方法につき検討したので報告する。【対象】平成22年1月以降にミリプラチンを使用した41例。男26例 69.3±8.5才、女性15例 71.7±7.0才。成因別内訳:B型3例、C型29例、NBNC9例。臨床病期:I期7例、II期19例、III期12例、IVA期 2例、IVB1例。Child-Pugh分類:A21例、B15例、C5例。ミリプラチン投与法及び後治療:初発例13例;TAI1例、TACE5例、TAI後RFA1例、TAI後肝切除2例、TACE後RFA4例。再発28例;TACE15例、TACE後RFA10例、TAI3例。抗腫瘍効果は肝癌治療直接効果判定基準及び腫瘍マーカーの推移を用いた。【結果】抗腫瘍効果:全症例のTE4の割合61.0%。初発例のTE4の割合61.5%。再発例のTE4の割合60.7%。初発例治療法別TE4の割合:TACE40.0%、TACE後RFA100%、TAI0%、TAI後RFA100%、TAI後肝切除50%。再発例治療法別TE4の割合:TACE症例46.7%、TACE後RFA症例80.0%、TAI単独症例66.7%。腫瘍マーカーの変化:AFP(ng/ml)前値978.1±630.9、後値704.4±453.2、PIVKAII(mAU/ml)前値779.7±571.4、後値344.3±282.8。初回治療:AFP(ng/ml)前値2008.9±1918.8、後値957.3±944.2、PIVKAII(mAU/ml)前値486.1±313.7、後値55.5±20.8。再発治療:AFP(ng/ml)前値499.5±277.7、後値605.0±521.1、PIVKAII(mAU/ml)前値916.0±828.0、後値461.9±397.8。【結語】ミリプラチンは初発および再発症例の治療に有効であった。ミリプラチンは単独でも有効な治療法であるがRFAを併用することで有効性が向上した。ミリプラチンを用いたTACEは必ずしもTAI単独療法より有効とはいえなかった。
索引用語 肝細胞癌, ミリプラチン