セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-腫瘍6 |
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タイトル | 消P-691:肝細胞癌に対するミリプラチンを用いた経カテーテル的動脈化学塞栓術の短期成績 |
演者 | 盛生 玲央奈(庄原赤十字病院・内科) |
共同演者 | 鎌田 耕治(庄原赤十字病院・内科), 盛生 慶(庄原赤十字病院・内科), 谷口 真理(庄原赤十字病院・内科), 舛田 裕道(庄原赤十字病院・内科), 福原 崇之(庄原赤十字病院・内科), 毛利 律生(庄原赤十字病院・内科), 山口 敏紀(庄原赤十字病院・内科), 沼田 義弘(庄原赤十字病院・内科), 服部 宜裕(庄原赤十字病院・内科), 中島 浩一郎(庄原赤十字病院・内科) |
抄録 | 【目的】ミリプラチンは脂溶性白金製剤として高い腫瘍滞留性と白金成分の徐放性が示されており,その臨床的有効性や副作用の軽減が期待されている。今回我々は肝細胞癌(HCC)に対するミリプラチンを用いた経カテーテル的動脈化学塞栓術(TACE)の短期成績について報告する。【方法】対象は2010年4月~2011年2月までに,ミリプラチンを用いてTACEを施行したHCC37例(TACE46回施行)。性別は男性27例,女性10例で,平均年齢は73 歳(57-92)。ウイルス別ではHBV6例,HCV19例,NBNC12例。 肝障害度別ではA:41例,B:5例であった。主腫瘍径は15-100mm(平均33mm)で,単発26例,多発20例であった。Stage別ではI:10例,II:20例,III:9例,IV:7例であった。ミリプラチン/リピオドールの混合比は,20mg/mlとした。ミリプラチンの投与は原則可能な限り選択的にカテーテルを挿入し施行したが,多発例には左右肝動脈から施行した。ジェルパートは原則全例に施行した。治療効果判定は,肝癌治療効果判定基準(2009年改訂版)に準じた。【成績】HCC37例に対し,TACEを46回施行した。ミリプラチンの使用量は20-140mgで平均59mgであった。治療効果判定はTE4:6例(13%),TE3:22例(48%),TE2:18例(39%)で,奏効率61%であった。TACE後の追加治療は外科的切除2例,RFA9例,PEI1例,HAI3例,放射線治療1例で行った。副作用は食欲不振15例(33%),腹痛10例(22%),悪心・嘔吐8例(17%),38度以上の発熱6例(13%),皮疹1例(2%)であったが数日で軽快した。血液学的検査異常は,白血球減少1例(2%),好酸球増加3例(7%),血小板減少3例(7%)と低頻度であった。生化学検査異常は,肝機能障害30例(65%),CRP上昇22例(48%)であったが,一過性で速やかに改善した。【結論】肝細胞癌に対するミリプラチンを用いた経カテーテル的動脈化学塞栓術は,短期成績では重大な副作用を示さず,有効な治療効果を得られると考えられた。 |
索引用語 | 肝細胞癌, ミリプラチン |