セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-腫瘍6 |
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タイトル | 消P-693:進行肝細胞癌に対する肝動注リザーバーからのミリプラチン動注療法の経験 |
演者 | 富吉 秀樹(国立東広島医療センター・放射線科) |
共同演者 | 川西 昌弘(国立東広島医療センター・消化器科), 和田 慶洋(国立東広島医療センター・消化器科), 後藤 栄造(国立東広島医療センター・消化器科), 斎 宏(国立東広島医療センター・消化器科), 笹尾 昌悟(国立東広島医療センター・消化器科), 竹崎 英一(国立東広島医療センター・消化器科), 中谷 玉樹(国立東広島医療センター・外科), 高橋 忠照(国立東広島医療センター・外科) |
抄録 | 【目的】ミリプラチンは脂溶性の第3世代プラチナ製剤であり、肝動脈化学塞栓療法(TACE)の際にLipiodolとの懸濁液で注入して腫瘍局所での高い滞留性、徐放性を発揮するように開発されている。当院では2010年1月から、このミリプラチンを肝動注リザーバーから投与する動注療法を積極的に行っており、今回はその安全性や実行性などの検討を行った。【方法】局所治療が適応外で肝予備能がChild-Pugh分類A、Bの進行(多発性)肝細胞癌であり、さらにTACEのみでは治療効果が不十分と考えられた症例を対象とした。まず、肝動注リザーバーを留置して、基本的には4週間に1回、X線透視下にミリプラチン60mgとLipiodol 6mlの懸濁液を動注した直後から約3時間で5-FU 750mgを携帯型持続注入ポンプで動注するレジメンでの治療を行った。【成績】57歳から77歳(平均70.4歳)の16 例(男性13例、女性3例)に対して、合計で108回のミリプラチン動注療法をリザーバーから行った。1例あたりでの最多の治療回数は15回(平均6.8回)であった。8回以上の治療が可能であった6例では、ほぼPR以上に相当するような治療効果が得られて現在も全例が生存中である。合併症としてカテーテル閉塞を2例に認めたが、1例はポートとの接合部でのキンクの影響であり、2例ともリザーバーの再留置で動注療法の再開が可能であった。副作用としては休薬や保存的治療で対応可能な白血球数の減少や総ビリルビン値の上昇などを認めるのみであった。【結論】X線透視下に生理食塩水での十分な洗浄を行えば、Lipiodolの注入で危惧されるリザーバーのカテーテル閉塞は起こりに難く、進行肝細胞癌に対する肝動注リザーバーからのミリプラチン動注療法は安全性と実行性(feasibility)の高い治療方法と考えられた。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 肝動注リザーバー |