セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-腫瘍7 |
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タイトル | 消P-696:進行肝細胞癌に対するソラフェニブの早期治療評価における到達時間パラメトリックイメージングの有用性 |
演者 | 塩澤 一恵(東邦大医療センター大森病院・消化器内科) |
共同演者 | 渡邉 学(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 和久井 紀貴(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 永井 英成(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 飯田 和成(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 工藤 岳秀(東邦大医療センター大森病院・臨床生理機能検査部), 丸山 憲一(東邦大医療センター大森病院・臨床生理機能検査部), 神山 直久(東芝メディカルシステムズ(株)・超音波開発部), 住野 泰清(東邦大医療センター大森病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】 進行肝細胞癌(HCC)に対するソラフェニブ投与症例において治療前後でソナゾイド造影超音波(CEUS)による到達時間parametric imaging(AtPI)を用いた画像解析を行ない、解析結果をdynamic CTによる治療成績と比較することにより、その早期治療評価における有用性について検討した。【方法】 対象はソラフェニブ投与基準を満たす進行HCC症例14例。全例男性、平均年齢68.7歳、全例Child-pugh A、投与前AFP値は3.2~22516ng/ml(中央値150.8ng/ml)、ソラフェニブ初回投与量は800mg/日が5例、400mg/日が9例。経過観察が可能な一結節または門脈腫瘍塞栓を対象としてソラフェニブ投与前、投与2、4週後に同じ撮像条件でCEUSを施行した。血管相(0~40秒)においてAtPIによる解析を行なった。対象の近傍にある太い動脈に造影剤が到達した時点を基準点とし、基準点から対象までの造影剤到達時間を0.5秒間隔に設定してcolor mapping(CM)画像を作成した。得られたCM画像において、基準点から対象内の造影剤到達時間の平均値(mean time:MT)を算出した。治療前のMTを前値とし、治療2、4週後におけるMTの各々の差を求めた。差が0以上となった症例をMT(+)(血流速度の低下)、差が0未満となった症例をMT(-)(血流速度の上昇)と判断した。治療2、4週後における各々のMTの差を治療4~8週後のdynamic CTによる治療成績と比較検討を行なった。【結果】 14例中8例がMT(+)で、6例がMT(-)であった。SD(不変)~PR(部分奏功)を呈した8例は全例MT(+)で、PD(進行)を呈した6例はMT(-)であった。【結語】AtPIで得られたMTの変化を検討することは、進行HCCに対するソラフェニブの早期治療効果判定に有用である可能性が示唆された。 |
索引用語 | 肝細胞癌, ソラフェニブ |