セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍7

タイトル 消P-697:

進行肝細胞癌に対するSorafenibによる治療成績

演者 今井 大祐(東京慈恵会医大・肝胆膵外科)
共同演者 脇山 茂樹(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 鈴木 文武(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 兼平 卓(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 伊藤 隆介(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 後町 武志(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 柴 浩明(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 二川 康郎(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 三澤 健之(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 石田 祐一(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 矢永 勝彦(東京慈恵会医大・外科)
抄録 【はじめに】進行肝細胞癌に対するSorafenib治療に関して、我が国では治療適応や副作用に関するデータがまだ不十分である。今回、当科にて行った進行肝細胞癌に対するSorafenib治療に関して、その治療効果や副作用につき検討した。【対象・方法】対象は2009年5月Sorafenibが保険適応になって以来、当科で進行肝細胞癌に対してSorafenibの治療を行なった7症例。年齢66(51 - 81)歳、男女比 5:2、背景肝は、B型1例・C型3例・NBNC2例・他院での肝移植後1例。肝機能はChild A 6例、Child B 1例。PS0 5例、PS1 2例。StageIII 2例、StageIVA 2例、StageIVB 3例。初回治療は肝切除4例、局所治療2例、肝移植1例。投与開始用量は全例800mg/日とした。これらの症例に対するSorafenib治療の治療効果と副作用に関し検討した。【結果】7例中2例は投与継続中(1例は400mg/日に減量)で、生存日数368日および166日、累積投与期間は344日および161日。全身状態は良好。副作用は軽度の皮膚症状のみであった。一方、投与中止の5例の中止理由は、皮膚症状3例、肝機能障害1例、病状悪化に伴う全身倦怠感1例で、投薬開始日からの生存日数は60、96、101、172、390日。投薬開始後の1年生存率は39%であった。【まとめ】当科での成績では著効例はなく投薬開始後の1年生存率は39%であった。これは対象症例に進行例が多くこれまでの報告とも合致している。Sorafenib投薬にあたっては、休薬による皮膚症状のコントロールと症状改善後の再投薬及びその際の投与量の調節が重要と考えられる。
索引用語 肝細胞癌, ソラフェニブ