セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-腫瘍7 |
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タイトル | 消P-698:当院における進行肝細胞癌に対するSorafenib投与症例の検討 |
演者 | 楠本 侑弘(大阪警察病院) |
共同演者 | 宮竹 英希(大阪警察病院), 須田 貴広(大阪警察病院), 堀江 真以(大阪警察病院), 景山 宏之(大阪警察病院), 宇田 創(大阪警察病院), 村田 真衣子(大阪警察病院), 榎原 良一(大阪警察病院), 山口 真二郎(大阪警察病院), 水谷 昌代(大阪警察病院), 岡田 章良(大阪警察病院), 河相 直樹(大阪警察病院), 尾下 正秀(大阪警察病院) |
抄録 | 【目的】進行肝細胞癌に対して分子標的治療薬であるSorafenibが広く投与されるようになってきている。今回我々は当院におけるSorafenibの治療成績について検討した。【対象】2009年6月から2011年3月までに当院にてSorafenibが投与された19症例の患者背景・有害事象・治療効果について検討した。【結果】症例は男性16例、女性3例。年齢中央値は74歳(51~83歳)。基礎肝病変はHBV/HCV/非B非C=5/11/3、肝予備能はChild-Pugh A5/A6=7/12。進行度はStage3/4A/4B=2/11/6。6例が肝外病変、5例がリンパ節転移を伴っていた。全例にTACE施行歴があり、Sorafenib導入前治療はTACEが10例、TAIが3例、リザーバ留置肝動注療法が4例、肝切除が1例であった。Sorafenib開始量は800/400mg:4/15例であった。現在までの観察期間中央値は5.5ヶ月、投与期間中央値は2.9ヶ月であった。投与継続中の症例が5例(26%)、投与中止は14例(74%)で、中止理由は病勢増悪が3例(21.4%)、肝機能障害が3例(21.4%)、消化器症状が2例(14.2%)、手足皮膚症候群が2例(14.2%)、骨髄抑制が1例(7.1%)、その他が3例(21.4%)。1ヶ月以上投与可能であった14例でCTによる治療効果を判定したところ、CRが0例、PRが4例(28.6%)、SDが3例(21.4%)、PDが7例(50.0%)で、奏効率は28.6%、病勢制御率50.0%であった。PRが確認されるまでの期間中央値は2.5ヵ月であった。PRの2例は治療開始1~2ヶ月と早期に腫瘍縮小効果を認めたため、有害事象に対して休薬と再開を繰り返して11か月以上投与を継続し比較的長期の生存を認めた。【結論】当院での検討においてPR症例ではSorafenibを減量したものの比較的長期に投与可能であったことから、有害事象のコントロールにより投与の継続を目指すことが生存期間の延長に寄与する可能性が示唆された。早期の治療効果予測に関与する因子についてはさらなるSorafenib投与症例の蓄積と検討を要すると考える。 |
索引用語 | 肝細胞癌, Sorafenib |