セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-腫瘍7 |
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タイトル | 消P-700:進行性肝細胞癌患者におけるソラフェニブ投与による肝内循環動態に及ぼす影響:前向きコホート研究から |
演者 | 金子 亨(北里大東病院・消化器内科) |
共同演者 | 日高 央(北里大東病院・消化器内科), 南野 勉(北里大東病院・消化器内科), 高田 樹一(北里大東病院・消化器内科), 田中 賢明(北里大東病院・消化器内科), 奥脇 裕介(北里大東病院・消化器内科), 渡邊 真影(北里大東病院・消化器内科), 中澤 貴秀(北里大東病院・消化器内科), 渋谷 明隆(北里大東病院・消化器内科), 小泉 和三郎(北里大東病院・消化器内科), 森 香織(北里大東病院・超音波室), 藤井 滋(北里大東病院・超音波室), 柳原 美智子(北里大東病院・超音波室), 遠藤 洋(北里大東病院・超音波室), 熊坂 伸(北里大東病院・超音波室) |
抄録 | 【緒言】ソラフェニブはVEGF等を阻害することにより血管新生を抑制し抗腫瘍効果を発揮する。また動物実験においてソラフェニブ投与によって門脈圧が低下する可能性があるとされている。ソラフェニブ投与による肝内血行動態へ及ぼす影響について、ドプラ超音波を用い投与前と約一カ月後の比較検討を行った。【対象・方法】症例数は31名(男性27名/女性4名。年齢 中央値69(47-83)歳 HCV抗体陽性22例 HBs抗原陽性3例 NBNC6例)。全例Child Aを対象とし、門脈浸潤のある症例は除外した。使用機器は東芝メディカル社製APLIO XG、probeはPVT-375BTを使用し周波数は3.5MHzとした。測定項目は門脈本幹、右枝、門脈臍部、脾静脈での最高流速(Vmax)、断面積、流量(Flow)、また脾動脈のResistance index(RI)、Pulsatility index(PI)及び心拍出量(CO)とし、ドプラアングルは60°以下で測定した。ソラフェニブ投与前と投与1ヵ月後で比較し、有意差を認めた項目につきその投与前の因子について検討を加えた。またP<0.05をもって有意差ありと判定した。【結果】投与前後で肝内門脈流速や流量に変化を認めなかったが、門脈本幹の血管断面積は76.89cm²から62.29 cm² (P=0.016)と有意に縮小した。門脈圧と相関があるといわれているCongestive Index(CI)も3.89cm×secから2.89 cm×sec (P=0.043)と有意に低下した。またCIの低下群と非低下群では投与前の総ビリルビン値で有意差が認められた(P=0.019)。【結語】ソラフェニブ投与が、進行性肝細胞癌患者の門脈圧亢進症を改善させる可能性が示唆されるも、臨床症状を含めたさらなる検討を要する。 |
索引用語 | ソラフェニブ, 門脈圧 |