共同演者 |
安東 正晴(三豊総合病院・内科), 永野 拓也(香川県立中央病院・消化器内科), 高口 浩一(香川県立中央病院・消化器内科), 渡辺 精四郎(香川県立中央病院・消化器内科), 小川 力(高松赤十字病院・内科), 細見 直樹(KKR高松病院・内科), 堀北 実(香川県立白鳥病院・内科), 佐藤 敦彦(香川県済生会病院・内科), 森 誠治(社会保険栗林病院・外科), 蓮井 宏樹(高松平和病院・内科), 喜田 恵治(喜田医院), 米山 弘人(香川大・消化器・神経内科), 出口 章広(香川大・消化器・神経内科), 正木 勉(香川大・消化器・神経内科) |
抄録 |
【背景・目的】高齢化に伴い高齢肝細胞癌患者に対する治療が増加しているが積極的治療の是非については十分検討なされていないためこの妥当性について検討した。【方法】香川県下10施設における2004年1月から2008年12月の初発肝細胞癌患者のうち早期死亡例を除き180日以上の経過観察がなされた776例について80歳以上(超高齢群)92例、75歳以上80歳未満(高齢群)135例、75歳未満(若年群)549例の3群に分け検討した。各群の累積生存率についてKaplan-Meier法及びlog-rank testにて解析し、予後因子はCox比例ハザードモデルにて検討した。【結果】観察期間は中央値712日。超高齢、高齢及び若年群ではChild-Pugh (A/B/C); 65/21/4 vs 91/34/9 vs 358/154/28、stage(1,2/3,4); 63/26 vs 98/35 vs 376/165であった。初発時最大腫瘍径は30 vs 25 vs 22mm (p=0.040)。超高齢群の初回治療ではOpe/PTAの選択率が低かった (49 vs 61 vs 69% (p<0.001))。各群の3年生存率は62 vs 68 vs 69%で超高齢群にて不良であった(p=0.026)。Child-Pugh A /B,Cで3年生存率は73 vs 75 vs 78% / 31 vs 50 vs 49%, Stage 1,2/3,4で83 vs 80 vs 82% / 0 vs 18 vs 39%であった。超高齢群でも予備能良好、早期Stageでは若年群と同様の予後が得られていた。初回治療法別では各群に生存率の差は認めなかった。超高齢群の予後因子は多変量解析ではT.Bil≧2mg/dl、初発時多発腫瘍、初回治療非根治治療(TACE、動注、BSC)及び地域性(高松地区以外)であった。【結論】超高齢肝細胞癌患者においても、Ope・PTAによる積極的な治療が選択可能であれば、若年者と同様の予後がもたらされる可能性が示唆された。 |