セッション情報 一般演題

タイトル 65:

腸重積にて偶然発見された回腸悪性リンパ腫の1例

演者 礒山 友子(国家公務員共済連合会 浜の町病院 放射線科)
共同演者 松浦 隆志(国家公務員共済連合会 浜の町病院 放射線科), 轟木 渉(国家公務員共済連合会 浜の町病院 放射線科), 田中 厚生(国家公務員共済連合会 浜の町病院 放射線科), 添田 博康(国家公務員共済連合会 浜の町病院 放射線科), 舛本 博史(国家公務員共済連合会 浜の町病院 放射線科), 金 ヒョンジ(国家公務員共済連合会 浜の町病院 消化器内科), 西条 寛平(国家公務員共済連合会 浜の町病院 消化器内科), 瀬尾 充(国家公務員共済連合会 浜の町病院 消化器内科), 一宮 仁(国家公務員共済連合会 浜の町病院 外科), 相島 慎一(国家公務員共済連合会 浜の町病院 病理)
抄録 症例は26才 女性。平成18年4月15日に泥状下痢便が2回みられ、翌日朝から右下腹部の間歇的な痛みが出現し持続するため、当院に4月27日にCT検査目的にて紹介となった。造影CT検査では横行結腸付近に腸重積所見がみられ先進部には脂肪腫を思わせる所見はなく充実性の腫瘤による腸重積と診断された。先進部には腫大した複数の腸間膜リンパ節も見られた。明らかな腸管壊死や虚血を思わせる画像所見がなく、また白血球増多やCRP上昇などの炎症所見もなかったため、直ちにバリウム注腸による透視下整復を行い腸重積は解除された。解除後回腸末端部には約5cmφの腫瘤が見られた。その後の大腸内視鏡検査では再び大腸内に回腸末端部の腫瘤が重積しており、表面にびらんを有する粘膜下腫瘤がみられ、同時に行われたEUSでも均一な低エコー充実性腫瘤として描出された。生検で悪性リンパ腫の診断をえた。平成18年5月8日に腹腔鏡下回盲部切除術が施行された。腸間膜リンパ節はびまん性に腫大していたが。明らかな癒着や腹水は見られなかった。病理診断は回腸末端部の粘膜から固有筋層に浸潤する悪性リンパ腫 (Diffuse large B cell lymphoma)で免疫染色ではCD20(+), CD79a(+), CD45RO(-), bcl-2(+), CD10(+/-).であった。5月31日よりR-CHOP療法を施行。現在、全身状態良好にて経過観察中である。脂肪腫など回腸末端部の粘膜下腫瘍が腸重積で発見されることはまれに経験するが、今回、CTで腸重積を指摘され発見された回腸悪性リンパ腫症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 悪性リンパ腫, 腸重積