セッション情報 一般演題

タイトル 50:

多彩な膵外病変を合併した自己免疫性膵炎(AIP)の1例

演者 今給黎 和幸(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 船川 慶太(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 赤崎 安宣(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 山元 隆文(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 中塩 一昭(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 松元 淳(鹿児島大学病院 光学医療診療部)
抄録 59才女性。健診にて膵体尾部にSOL指摘され、精査目的にて当院紹介入院。CT上、両側腎臓にも膵病変と同様のSOL所見を認めた。当初、癌転移やリンパ腫等を鑑別に検査を進めたが診断に至らなかった。唯一自覚症状として口腔内乾燥、唾液分泌低下を認めた。また膵管の狭細像も認めたため、AIPを含めた自己免疫性疾患との鑑別の為、IgG4測定したところ優位な上昇を(1300mg/dl)認めた。SS-A、SS-Bは陰性であった。またPETでも膵病変、腎臓、唾液腺、耳下腺、甲状腺にも集積見られIgG4関連疾患を強く疑われた。唾液腺、甲状腺、腎臓の生検を施行し、いずれもリンパ球、形質細胞主体の細胞浸潤がみられ、特に唾液腺のIgG4染色は特異的であった。以上より、AIP及びIgG4関連疾患と考えステロイド30mg投与開始した。1ヵ月後の評価PETでは膵臓への集積は消失、また腎臓の腫大も改善。SOLも縮小していた。MEDLINE、医中誌で検索した限り、腎臓にも腫瘤形成をみたAIPの報告は少なく、多彩な膵外病変を合併したAIPの1例を経験したので、若干の文献的考察を加え、報告する。
索引用語 AIP, IgG4関連疾患