セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
224:インターフェロン治療終了11年後に肝癌と診断されたC型肝硬変の1症例
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演者 |
東 晃一(九州大学 大学院 医学研究院 病態機能内科学 (第二内科)) |
共同演者 |
緒方 久修(九州大学 大学院 医学研究院 病態機能内科学 (第二内科)), 梁井 俊一(九州大学 大学院 医学研究院 病態機能内科学 (第二内科)), 飯田 三雄(九州大学 大学院 医学研究院 病態機能内科学 (第二内科)) |
抄録 |
症例は65歳、男性。平成2年肝S8に径3cmの占拠性病変を指摘され、血管腫と診断された。平成5年C型肝硬変に対して6ヶ月間のインターフェロン治療を行い、以後ALT正常、HCV-RNA持続陰性であった。平成11年にも肝S5に径2cmの占拠性病変を指摘され、血管腫と診断された。平成15年12月以降肝腫瘍マーカー(AFP、PIVKA-2、CEA、CA19-9)の上昇を認め、平成16年6月の体部CT検査で肝S5の腫瘍の増大(径3~5cm)と門脈腫瘍塞栓(PVTT)、腹腔内リンパ節腫大を、7月の胸部CT検査で両側鎖骨上窩、気管分岐部のリンパ節腫大を指摘され、精査のため8月当科入院となった。入院時WBC 5430/μL、RBC 496×104/μL、Hb 15.8g/dL、Plt 15.8×104/μL、PT 89%、 HPT 82%、T.Bil 0.7mg/dL、D.Bil 0.1mg/dL、AST 35 U/L、ALT 17 U/L、LDH 193 U/L、ALP 262 U/L、γ-GTP 108 U/L、T.Prot 7.3 g/dL、Alb 4.5g/dL、γ1.2g/dL、Ch.E 133U/L、T.Chol 153mg/dL、TG 62mg/dl、CRP 0.07mg/dL、T.BA 3.4μmol/L、NH3 38μg/dL、ICG-R15 7.3%、HBsAg(-)、HCV-Ab(+)、HCV-RNA(PCR定性)(-)、CEA 6.8ng/mL、CA19-9 112.6U/mL、PIVKA-2 311mAU/mL、AFP 405.7ng/mL。腹部MRI検査で肝S8にT2著明延長病変を認めるほかS5/8に径5cmの腫瘍及び門脈右枝のPVTTを認めた。血管造影では門脈造影で肝右葉前区域枝が描出されず、肝S8に径3cmの血管腫、肝右葉S5領域に径4cmの富血性腫瘤を認め、A5よりTAE(FARM 40mg+lipiodol 4mL)を施行した。さらに塩酸ゲムシタビン+シスプラチン+フルオロウラシル全身投与による化学療法、PVTTに対する計40Gyの放射線療法を追加し、当初これら化学療法は奏効していたが、その後徐々に腹腔内リンパ節が増大傾向を示し、全身化学療法或いは経カテーテル的な治療を継続するも、17年6月永眠された。 今回われわれはインターフェロン治療終了11年後に肝癌と診断されたC型肝硬変の1症例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 |
C型肝硬変症, 肝癌 |