セッション情報 一般演題

タイトル 123:

胃病変を契機に診断された成人T細胞性白血病の一例

演者 吉野 総平(下関市立中央病院 消化器科)
共同演者 中島 穣(下関市立中央病院 消化器科), 松本 主之(九州大学大学院病態機能内科学), 飯田 三雄(九州大学大学院病態機能内科学)
抄録 症例は65歳男性。平成18年2月12日少量の吐血とタール便を主訴に近医受診。胃潰瘍との診断にて14日当科紹介受診。体上部前壁に白苔を伴う辺縁整な潰瘍性病変を認め、生検にてT細胞性悪性リンパ腫と診断され、精査加療目的にて24日当科入院。表在リンパ節は触知せず、HTLV-1抗体は陽性で、sIL-2Rは963U/mlと上昇を認めた。腹部CTでは膵尾部付近に数mm大のリンパ節を複数個認めた。骨髄検査にて骨髄浸潤の所見を認め、また末梢血中にflower cellを認め、ATLLが強く疑われたため、3月20日当院血液内科転科。同日よりCHOP療法を開始。27日Southern blottingの結果が判明し、HTLV-1 proviral DNAのmonoclonal integrationを認めたことよりATLLの確定診断となった。4月24日高度の腹痛が出現し、CTにて膵尾部付近や傍大動脈、SMA領域のリンパ節腫大を認め、25日よりLSG15療法を開始。一旦はリンパ節の縮小傾向を認め、その後も化学療法を継続するも病勢は急速に進行し、9月19日死亡退院となり、剖検が施行された。若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 成人T細胞性白血病, 胃病変