セッション情報 一般演題

タイトル 193:

管腔内超音波(intraductal ultrasonography;以下 IDUS)及び経口胆道鏡(peroral cholangioscopy;以下 POCS)が診断に有用であった総胆管粘膜内癌の1例

演者 永松 秀康(大分赤十字病院 消化器科)
共同演者 江藤 寛之(大分赤十字病院 消化器科), 新関  修(大分赤十字病院 消化器科), 一木 康則(大分赤十字病院 消化器科), 石田 哲也(大分赤十字病院 消化器科), 永田 茂行(大分赤十字病院 外科), 福澤 謙吾(大分赤十字病院 外科), 若杉 健三(大分赤十字病院 外科), 米増 博俊(大分赤十字病院 病理), 永嶋 智成(庄の原クリニック)
抄録 <症例>65歳 男性 <主訴>上腹部痛 <現病歴>上腹部痛に対し、近医にて胃炎の診断にて投薬を受けるも改善せず、外来での血液検査にて肝胆道系酵素異常が認められ、当院に精査加療目的にて入院となった。<入院後経過>腹部単純CTで下部胆管には結石を疑うやや高濃度な構造物がみられ、さらに、胆嚢管合流直下の中部胆管には壁肥厚が疑われた。又、MRI冠状断像やMRCPで下部胆管の病変はCT同様に結石を疑う所見であったが、中部胆管の病変は総胆管右側壁から内腔に突出する大きさ1cm程度の病変で、結石か腫瘍性病変かは鑑別困難であった。ERCPで下部胆管の病変は採石確認できたが、中部胆管の病変は可動性に乏しく、腫瘍性病変が疑われた為、IDUS及びPOCSを行った。IDUSで中部胆管の病変は、辺縁がやや不整で、乳頭状に隆起した低エコー腫瘤として描出された。胆管癌を疑うものの、胆管壁構造の明らかな中断像はないと診断した。POCSでは、周辺粘膜よりやや発赤調の隆起性病変として認められ、境界は比較的明瞭で、肝側への水平進展は認めなかった。胆汁及びブラシ細胞診や生検で軽度の異型細胞を認めるのみであったが、画像上胆管癌を疑うことから、幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を行った。病理組織診断は、well differentiated adenocarcinoma, nodular type.patBmC m tub1 int ly0 v0 pn0 pGinf0 pPanc0 pDu0 pHM0 pEM0であった。今回、比較的稀な総胆管粘膜内癌の1例を経験したので文献的考察を加えて報告することとした。
索引用語 早期胆管癌, 粘膜内癌