セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-門脈圧亢進症

タイトル 消P-717:

Partial Splenic Embolization(PSE)の長期予後に及ぼす因子の検討

演者 川岸 加奈(北里大東病院・消化器内科)
共同演者 日高 央(北里大東病院・消化器内科), 南野 勉(北里大東病院・消化器内科), 田中 賢明(北里大東病院・消化器内科), 高田 樹一(北里大東病院・消化器内科), 奥脇 裕介(北里大東病院・消化器内科), 渡邊 真彰(北里大東病院・消化器内科), 中沢 貴秀(北里大東病院・消化器内科), 渋谷 明隆(北里大東病院・消化器内科), 小泉 和三郎(北里大東病院・消化器内科)
抄録 【目的】今回、肝硬変症(LC)、特発性門脈圧亢進症(IPH)に対してPSEが施行された症例の長期予後と、PSE併用のインターフェロン(IFN)療法の奏効率について検討した。【方法】1990年7月から2011年2月までの間に施行され長期予後を検討し得た111例(HBsAg陽性 15例,HCV抗体陽性 78例,HBsAg+HCV抗体陽性 2例,alcohol 5例うち1例はHCV抗体陽性,PBC 4例,不明 5例,IPH 4例,その他 2例)。平均年齢58.0±10.2歳,性別(男/女)67/ 44,治療前血小板4.5±1.8万, Child-Pugh score 6.6±1.2, A 49例, B 60例, C 2例, HCC合併例42例。PSE後にウイルス除去目的でIFN導入し評価可能なのは17例。PSEの方法はマイクロカテーテルで可能な限り脾動脈分枝まで挿入し、2-4mm角のゼラチンスポンジを用いて50から60%の梗塞率を目標に施行した。【結果】梗塞率53.5 ± 11.8%、観察期間(中央値) 1425日(16-4900)。LCの5年生存率は50.9%であり、長期予後に及ぼす影響を単変量解析にて検討したところ、PSE後2週間目の血小板の増加率が2倍以上である有効群(平均血小板数13.8±6.6万:77例)と2倍未満の無効群(同6.9 ± 3.0万:34例)の比較において、5年生存率が84.1% vs 46.7%と両群間に有意差(P<0.05)を認めた。両群を比較検討したところ、PSE前の肝予備能やHCC合併率また梗塞率に差を認めないが、PSE後一年目までのアルブミンや総ビリルビンの改善率に有意差(P<0.05)を認めた。PSE後に施行されたIFN療法のCR率は41.1%(7/17)、1a 0%(0/1), 1b 11%(1/9), 2a 100%(5/5), 2b 50%(1/2)。genotype1型に比べて2型に有意(P=0.014)に高い奏効を認めた。発癌症例は5例(1A 1例, 1B 2例, 2A 2例)、IFN奏効の有無とHCCの発生には有意差がなかった。【結語】LCにおいてPSE後2週間目の血小板の増加率が予後を決定する可能性がある。またgenotype 2型など奏効が期待される症例は積極的にPSEを行い、IFN導入を検討する事が望ましい。
索引用語 部分的脾動脈塞栓術, インターフェロン