セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 140:過形成性ポリープに類似した肉眼形態を呈した胃高分化腺癌の1例 |
演者 | 槙 信一朗(福岡大学筑紫病院 消化器科) |
共同演者 | 山口 真三志(福岡大学筑紫病院 消化器科), 宇野 博之(福岡大学筑紫病院 消化器科), 古川 敬一(福岡大学筑紫病院 消化器科), 田辺 寛(福大筑紫病院 病理部), 岩下 明徳(福大筑紫病院 病理部), 佐藤 茂(佐藤クリニック) |
抄録 | 症例は70歳女性。以前より採血にて貧血を認めたため貧血精査目的にて上部消化管内視鏡検査施行した。上部消化管内視鏡検査では前庭部大弯側に約2cm台の亜有茎性の隆起性病変を認めた。病変の表面は発赤調で粘液の付着が見られており、肉眼所見からは過形成ポリープを疑った。その後約8ヵ月後に再度上部消化管内視鏡検査施行したところ病変はやや緊満感が増しておりまた軽度増大傾向を認めたため当院紹介受診となった。当院での上部消化管内視鏡検査では病変の表面は発赤調で白苔の付着を認め当院での上部内視鏡検査では一部癌化の可能性も否定できない所見であった。貧血改善目的及び癌化の可能性をインフォームドコンセントしたところ本人の承諾が得られたため当院にて内視鏡的粘膜切除術を施行した。粘膜切除術後の切除標本では病変は全体に高分化型管状腺癌で占められ、嚢胞状に拡張した腺管も腫瘍腺管で占められており正常な腺管はほとんど見られずHE染色で腸管と胃型が混在した高分化型腺癌と診断された。尚後日初回上部消化管内視鏡検査時の生検及び8ヵ月後に行った上部消化管内視鏡検査時の生検を再度見直すといずれの病理組織検査でも異型を認めており高分化腺癌を疑う所見であった。今回我々は肉眼形態が過形成性ポリープに類似し約9ヶ月間に病変の形態及び大きさの変化を認めた高分化腺癌を経験したので若干の考察をふまえ症例を提示する。 |
索引用語 | 高分化腺癌, 過形成性ポリープ |