セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
44:直腸狭窄による腸閉塞をきたした腸管膜脂肪織炎の一例
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演者 |
坂田 玄太郎(大腸肛門病センター 高野病院) |
共同演者 |
野崎 良一(大腸肛門病センター 高野病院), 大湾 朝尚(大腸肛門病センター 高野病院), 山田 一隆(大腸肛門病センター 高野病院), 高野 正博(大腸肛門病センター 高野病院) |
抄録 |
【はじめに】腸間膜脂肪織炎が原因と考えられる直腸狭窄による腸閉塞の一例を経験したので報告する。【症例】44歳 女性。【主訴】腹痛、便秘。【既往歴】33歳 子宮筋腫核出術。34歳 帝王切開。【現病歴】腹痛、便秘のため受診。緩下剤、腸管運動改善薬を処方したが、その後も便通なく、腹痛増強のため、3日後入院。【所見】微熱あり。腸音亢進、左下腹部圧痛あり、筋性防御なし。腹部X線:左側大腸ガス貯留多く、腸閉塞状態。血液検査:炎症反応陰性、貧血なし、CEA,CA19-9正常範囲。腹部エコー:RS付近に腸管壁肥厚。腹部CT:直腸からS状結腸に浮腫状変化、腸管周囲脂肪織吸収値上昇。下行結腸拡張。【経過】絶食、輸液行い、緩下剤、腸管運動改善薬を使用し、症状・腹部X線所見改善。入院12日目、内視鏡施行:Raに粘膜が巻き込まれる様な狭窄あり、壁外性圧排が考えられた。狭窄部に軽度発赤認め、生検では粘膜の水腫様変化を認めた。入院14日目、注腸透視施行:RSまでで造影途絶。腫瘍性病変か非腫瘍性病変か鑑別困難であった。保存的治療で改善ない場合は手術を行う方針にした。流動食、経口栄養剤、輸液で栄養管理を行い経過観察した。入院24日目、再度内視鏡・注腸透視施行:直腸狭窄改善。内視鏡: RSに狭窄残存しているが、S状結腸まで挿入可能。注腸: Ra~RSに壁外性の圧排と思われる狭窄があるが、狭窄部より口側は造影良好で盲腸まで造影。直腸の狭窄部位以外に病変認めず。直腸狭窄改善のため、引き続き保存的に経過観察を行った。徐々に普通食にしたが、以後腹部症状なく経過し、入院29日目に退院した。退院12日目の内視鏡では、直腸狭窄は消失していた。 |
索引用語 |
腸間膜脂肪織炎, 腸閉塞 |