セッション情報 一般演題

タイトル 150:

経鼻内視鏡検査における前処置法の工夫~カテーテル硬度の検討~

演者 吉村 理江(医療法人財団博愛会 人間ドックセンターウェルネス)
共同演者 那須 繁(医療法人財団博愛会 人間ドックセンターウェルネス), 志賀 典子(医療法人財団博愛会 人間ドックセンターウェルネス), 水谷 孝弘(九州大学大学院病態制御内科), 樋口 奈緒美(九州大学大学院病態制御内科), 村尾 寛之(九州大学大学院病態制御内科), 中村 和彦(九州大学大学院病態制御内科)
抄録 【目的】当施設ではH18年2月から受診者希望で経鼻内視鏡検査を開始、現在まで約900名が経鼻を受診した。調査で6割が「楽な検査」と回答する一方、苦痛原因として「鼻痛」は約1割を占める。当初使用した鼻腔麻酔用カテーテルは柔軟かつ形状変化し易いため、カテーテルは容易に挿入できても、内視鏡になると挿入不可となる例が見られた。このような例での鼻痛症状が強く、カテーテルと内視鏡の硬度差が鼻痛原因になる可能性を鑑み、今回カテーテル硬度に着目した検討を行った。
【対象と方法】H18年12月~H19年1月の経鼻希望者計75名。カテーテル硬度で3群(柔軟なものから順にA社製、B社製、C社製)に分け鼻出血率、内視鏡挿入困難率、鼻痛程度をアンケート調査にて検討した。なお前処置法は12Frと18Frの2本法で行った。
【結果】鼻出血率はA(0%)B(4%)C(12%)、内視鏡挿入困難率はA(8%)B(4%)C(12%)で、いずれもBで低率であった。鼻痛程度については、前処置時に「痛い、非常に痛い」と回答したのはA(8%)B(8%)C(32%)とC社製で高率であった。一方、前処置から検査中全体を通して「鼻痛なし」はA(40%)B(40%)C(16%)であった。
【考察】非常に柔軟なA社製は、鼻痛は少ないが内視鏡挿入困難率がやや高く、また非常に硬いC社製は鼻出血率、挿入困難率が高い上、鼻痛が他と比較し強い。一方、やや硬めのB社製は鼻痛が少なく、かつ鼻出血率や内視鏡挿入困難率も低率であり、前処置カテーテルとして適した材質であると考えられた。【結語】経鼻前処置法で用いるカテーテルは柔らかすぎず、硬すぎない、ある程度の硬度を有する材質が望ましい。現在、経鼻内視鏡検査の前処置法は確立されておらず、各施設模索段階である。今後更に安全かつ苦痛のない効率的前処置法の検討が望まれる。
索引用語 経鼻内視鏡, 前処置法