セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-門脈圧亢進症

タイトル 消P-720:

内視鏡的食道静脈瘤硬化療法が影響する肝硬変患者の栄養状態~BCAA含有経腸栄養剤投与による前向き調査~

演者 古市 好宏(東京医大・消化器内科)
共同演者 今井 康晴(東京医大・消化器内科), 菊地 景子(東京医大病院・栄養管理科), 市村 茂輝(東京医大・消化器内科), 佐野 隆友(東京医大・消化器内科), 村嶋 英学(東京医大・消化器内科), 平良 淳一(東京医大・消化器内科), 杉本 勝俊(東京医大・消化器内科), 山田 幸太(東京医大・消化器内科), 森安 史典(東京医大・消化器内科)
抄録 【緒言】肝硬変(LC)では短時間の絶食でも飢餓状態になり易い.しかし食道静脈瘤(EV)に対するEIS治療では禁食や流動食などの食事制限が必要となり,栄養障害が懸念される.【目的】EVを伴うLC患者にEISを施行した際の栄養状態を明らかにし,周術期におけるBCAA含有経腸栄養剤が齎す効果を検討する.【対象と方法】EIS治療適応となったEV41例を対象とした.治療時よりアミノレバンEN1包を開始する群をA群(26例,68.7歳),非開始群をB群(15例,63.7歳)と二群に分け,東京医科大学倫理委員会承認のもと,BMI,%TSF,%AMC,肝機能検査値、及び倦怠感,不眠(無:0~頻回:3),こむら返り(回/週)等の自覚症状について,前向き調査した(術前、治療1回目、2回目、退院時、3ヶ月後の計5回).栄養指導は計5回行い,食事療法(熱量35kcal/標準体重,蛋白1.2g/標準体重,塩分7g)を厳守させた.【結果】全症例においてEISは成功しEVは消失した.治療前と退院時の比較では,BMIでA群24.0→23.6,B群23.5→22.8(共にp<0.001)と低下し,%TSFでA群133→125,B群138→122(共にp<0.01)と低下した.しかしながら%AMCはA群で102→102(p=NS)と変化を認めず蛋白代謝低下を来たさなかったものの,B群では106→101(p<0.01)と低下した.またBTRはA群で4.13→5.0(p<0.05)と上昇し,B群では3.50→3.65(p=NS)で有意差を認めなかった.ALBはA群3.26→3.42(p<0.05)と上昇していたが,B群は3.42→3.48(p=NS)であった.自覚症状は,こむら返りがA群で0.90→0.05回/週と改善していた.【結語】EISはLC患者にエネルギー代謝低下や蛋白代謝低下などの低栄養状態を誘発していた.しかし,BCAA含有経腸栄養剤を投与することで蛋白代謝低下は予防され,自覚症状も改善された.今後は投与量を増量することによりエネルギー代謝異常も抑える可能性があると考えられた.
索引用語 栄養療法, 食道静脈瘤