セッション情報 一般演題

タイトル 106:

GERDに対する2種類の問診票とGERDに関与する因子との相関についての検討

演者 嶋津 剛典(福岡大学筑紫病院 消化器科)
共同演者 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院 消化器科)
抄録 目的:今回我々は胃食道逆流症(GERD)の症状を客観的に評価できる2種類の問診票とGERDの頻度に関与していると考えられる因子(性、年齢、下部食道胃接合部機能、基礎代謝率:BMI)についての比較検討を行った。対象と方法:最近1年間に樋口病院において内視鏡検査を施行し、QUEST問診票とFスケール問診票(草野、2004)を記入できた連続例313例を対象とした。内視鏡検査前に両問診票を記入した。内視鏡所見陽性のGERD(EP-GERD)について両問診票の感度、特異度、一致率、偽陽性率を検討した。なおQUESTは6点以上、Fスケールは8点以上を陽性とした。下部食道胃接合部機能(Gastroesophageal flap valve:GEFV)は1996年のHillらの内視鏡分類(4段階)を改変引用した。成績:EP-GERDの頻度は17.9%(56/313) であった。EP-GERDにおけるQUESTとFスケールの感度、特異度、一致率、偽陽性率は感度(35.7%:67.9%)、特異度(82.9%:59.9%)、一致率(74.1%、61.3%)、偽陽性率(14.4%:32.9%)であった。この結果より、QUESTだけでは無症候性GERDと判定される症例が多くなることが分かる。QUESTとFスケールに関与していると考えられる因子のうちEP-GERD重症度とGEFV重症度は両問診票スコアと明らかな相関があったが年齢、BMIとは明らかな相関はみられなかった。性別にみると両スコアに差はなかった。結論:QUEST問診票とFスケール問診票を比較して以下の結論を得た。1)EP-GERDにおける陽性率はFスケールで有意に高い。2)QUESTスコア、FスケールスコアともにEP-GERD重症度、GEFV重症度と明らかな相関がある。
索引用語 QUEST, Fスケール