セッション情報 一般演題

タイトル 211:

非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)の栄養・食事摂取量の実態について

演者 安武 健一郎(独立行政法人国立病院機構九州医療センター 栄養管理室)
共同演者 大山 明子(独立行政法人国立病院機構九州医療センター 栄養管理室), 吉本 剛志(独立行政法人国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 武元 良祐(独立行政法人国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 西 秀博(独立行政法人国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 宮原 稔彦(独立行政法人国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 福泉 公仁隆(独立行政法人国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 岩佐 勉(独立行政法人国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 原田 直彦(独立行政法人国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 中牟田 誠(独立行政法人国立病院機構九州医療センター 消化器内科)
抄録 【目的】近年、非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)の病態は注目されているがNAFLD患者の栄養・食事摂取量の実態を調査した報告は少ない。今回、外来NAFLD患者の食事摂取量を調査し、実態と問題点を検討した。
【方法】2006年10月~2007年2月に消化器内科受診後に栄養指導を受けたNAFLD 39例(男20例、女19例)、年齢48.0±14.8歳を対象とした。食事摂取量は、食事記録法(3日間の食事記録を管理栄養士が栄養指導時に補正)を用い、5訂増強日本食品標準成分表・日本人の食事摂取基準2005年版対応の栄養価計算ソフトで解析した。体脂肪測定はX-SCANを使用した。
【成績】身体計測値は、BMI 28.5±3.5kg/m2、腹囲95.9±9.0cm、体脂肪率32.4±5.8%であり、血液生化学検査値はT-Cho204.0±44.0mg/dl、LDL-C119.2±36.7mg/dl、HDL-C55.2±40.6mg/dl、TG215.3±258.9mg/dl、FBS114.5±30.6mg/dlとTG、FBSが高値であった。食事摂取量は熱量2306±843kcal、蛋白質86.0±33.5g、脂質67.8±37.1g、炭水化物322.5±101.7gと過剰摂取が認められた。過剰に摂取されていた食品は、穀類、肉類、油脂類、菓子類、嗜好飲料であった。一方、乳製品、果物、野菜類の摂取量は不足していたため、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB1、ビタミンB2、食物繊維の栄養摂取量が不足していた。
【結論】NAFLD患者の食生活は、熱量および三大栄養素の過剰摂取を特徴としており、体構成成分および脂質・糖質代謝に影響していると考えられ、病態に深く関与していると考えられた。一方、過剰摂取の食生活をベースにしながらも、不足している栄養素が数多く認められ、食品選択偏重の実態があると考えられた。現在、肥満の有無、男女間でNAFLDの病態に違いがあるのかを解析中である。
索引用語 NAFLD, 栄養・食事摂取量