セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-その他 |
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タイトル | 消P-721:肝硬変患者に対する検査前食の有用性についての検討 |
演者 | 香川 景政(獨協医大越谷病院・消化器内科) |
共同演者 | 鈴木 壱知(獨協医大越谷病院・消化器内科), 國吉 徹(獨協医大越谷病院・消化器内科), 安達 庄吾(獨協医大越谷病院・消化器内科), 斉藤 浩紀(獨協医大越谷病院・消化器内科), 市川 団(獨協医大越谷病院・消化器内科), 鈴木 一義(獨協医大越谷病院・消化器内科), 高田 洋(獨協医大越谷病院・消化器内科), 片山 裕視(獨協医大越谷病院・消化器内科), 玉野 正也(獨協医大越谷病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】肝硬変の早朝空腹時の飢餓状態の改善に就寝前夜食が有用である.しかし肝硬変では上部内視鏡検査などの画像診断が行われ,検査前には禁食とされることが少なくない.そこで今回,われわれは肝硬変患者を対象に検査前食を導入し,検査前食の上部消化管内視鏡検査に及ぼす影響とエネルギー代謝,アンモニア代謝,アミノ酸代謝に及ぼす影響について検討を行った.【方法】当院消化器内科に入院中の肝硬変患者36例を対象とした.上部消化管内視鏡検査の3時間前の早朝空腹時と検査直後にエネルギー代謝は血清遊離脂肪酸(NEFA),アンモニア代謝は血清アンモニア値,アミノ酸代謝は血清BTR値を測定して検討を行った.上部消化管内視鏡検査に及ぼす影響については内視鏡担当医が行った.検査前食としてカロリーメイトゼリー(CMJ)とへパスセカンド(H2)を用いた.【成績】CMJ群とH2群ともに検査前食による画像診断への影響はみられなかった.NEFAはCMJ群では投与前は768.7±420.5μEq/L,投与後は402.1±402.7μEq/Lであり,CMJ投与により有意(p=0.0188)に低下した.H2群は投与前の572.6±389.3μEq/Lから投与後428.6±312.1μEq/Lであり有意な変化はみられなかった.BTRはCMJ群では6.67±4.06から5.67±1.86と有意な変化はみられなかった.しかしH2群は4.06±1.46から5.15±1.99と有意に(p=0.0022)上昇した.アンモニア値はCMJ群では34.8±9.14μg/dLから25.4±12.0μg/dLと低下したが有意な差はみられなかった.H2群では35.5±18.4μg/dLから20.9±14.5μg/dLへと有意に(p=0.0055)低下した.【結論】検査前食は内視鏡検査に影響を及ぼさずCMJはエネルギー代謝を,H2群はアンモニア代謝とアミノ酸代謝を改善した. |
索引用語 | 検査前食, 肝硬変 |