セッション情報 一般演題

タイトル 166:

化学放射線療法により切除可能となった高度進行直腸癌の一例

演者 北里 周(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 外科)
共同演者 谷口 堅(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 外科), 野中 孝一(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 外科), 犬尾 浩之(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 外科), 中田 哲夫(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 外科), 辻 孝(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 外科), 鬼塚 伸也(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 外科), 辻 博治(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 外科), 藤岡 ひかる(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 外科), 江川 亜希子(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 放射線科), 塩澤 健(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 内科), 伊東 正博(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 研究検査科)
抄録 (症例)53歳男性。排尿・排便困難を主訴に近医受診し、精査加療目的に当院紹介。CT、MRIにて小骨盤腔を占拠し前立腺、仙骨との境界不明瞭な腫瘍を指摘。下部消化管内視鏡は腫瘍部を通過できず、生検は高分化腺癌で直腸原発と考えられた。骨シンチにて仙骨への集積を認めた。画像上局所リンパ節腫脹あるも遠隔転移なし。以上より一期的切除は困難と判断し、高度直腸狭窄に対しまずS状結腸人工肛門造設術を施行後、UFT-E 500 mg/day, Uzel 75 mg/day内服+放射線療法60 Gy/30 fr施行。画像にて腫瘤は明らかに縮小し切除可能と判断、照射終了後29日目に骨盤内臓全摘・仙骨合併切除(S3以下)施行。手術時間14時間19分、出血量10110 ml。病理所見にて腫瘍残存は認められなかった(Grade 3)。(考察)組織学的効果は著効だったが、画像上腫瘤の遺残あり術前評価は困難であった。組織は浮腫状で易出血性。遺残腫瘤のため前立腺部の操作困難で、Santrini静脈叢からの出血コントロールに難渋した。術後経過は創感染、骨盤死腔炎を来した以外特に問題なかった。創傷治癒機転の遅れは顕著ではなく、回腸導管採取部の縫合不全なし。(結語)高度進行直腸癌でも、積極的な化学放射線療法にて切除可能となる可能性がある。
索引用語 直腸癌, 化学放射線療法