セッション情報 一般演題

タイトル 209:

治療により著明な肝腫大が改善した全身性アミロイドーシスの1例

演者 一木 康則(大分赤十字病院 消化器科)
共同演者 江藤 寛之(大分赤十字病院 消化器科), 永松 秀康(大分赤十字病院 消化器科), 新関 修(大分赤十字病院 消化器科), 石田 哲也(大分赤十字病院 消化器科)
抄録 症例は診断時70歳の男性。30歳代より健診にて時々尿蛋白、尿潜血を指摘されていた。1983年(53歳)、狭心症、陳旧性心筋梗塞と診断。1993年(63歳)より上室性・心室性期外収縮にて投薬を受けていた。1998年7月までは肝機能検査は正常であったが、1999年8月に肝機能異常が出現し、尿蛋白(3+)。2000年2月、肝障害が増悪し、著明な肝腫大も認められたため、かかりつけ医より当科を紹介受診。精査中であったが、同年8月より浮腫が出現し、10月にネフローゼ症候群と診断。著明な肝腫大、ネフローゼ症候群よりアミロイドーシスが疑われ、胃十二指腸粘膜生検および腎生検所見よりALアミロイドーシスと診断。2000年10月よりMP療法を開始(2001年3月まで計4クール施行)。2001年2月よりジメチルスルホキシド (DMSO) 内服を開始。同年7月、誘因なく脾破裂による腹腔内出血を来たし脾臓摘出術を施行。脾および術中に採取した肝組織にもびまん性にアミロイド沈着が確認された。以後もDMSO内服を5年間以上継続し、肝腫大・肝機能異常は完全に正常化した。ALアミロイドーシスは予後不良の疾患であるが、本症例のように治療が奏効することもある。若干の文献的考察とともに報告する。
索引用語 MP療法, DMSO