セッション情報 一般演題

タイトル 61:

同時性多発小腸GISTの一例

演者 三宅 修輔(佐賀大学医学部 一般・消化器外科)
共同演者 平木 将紹(佐賀大学医学部 一般・消化器外科), 大塚 隆生(佐賀大学医学部 一般・消化器外科), 甲斐 敬太(佐賀大学医学部 病因病態科学講座), 森 大輔(佐賀大学医学部 病因病態科学講座), 北島 吉彦(佐賀大学医学部 一般・消化器外科), 佐藤 清治(佐賀大学医学部 一般・消化器外科), 中房 祐司(佐賀大学医学部 一般・消化器外科), 宮崎 耕治(佐賀大学医学部 一般・消化器外科)
抄録 症例は77歳男性。主訴:下血。現病歴:2007年1月13日に下血、気分不良、冷感を主訴に近医を受診。消化管出血疑いのため当院を紹介された。既往歴:糖尿病、前立腺肥大症、大腸憩室症、大腸ポリープに対しポリープ切除術施行。身体所見:意識清明、血圧139/60mmHg, 脈拍60回/分。血液検査:Hb: 6.8g/dl, Ht: 19.7%と貧血を認めた。BUNは38.2mg/dlと高値であったがクレアチニン値は1.00mg/dlと基準値内であった。経過:入院の上、輸血を行いながら上下部消化管内視鏡検査を施行するも出血源を認めなかった. 1月14日に腹部CTを施行したところ、小腸由来と思われる径5cm大の類円形腫瘤像を2箇所認めた.貧血の増悪および下血も持続しており、小腸腫瘍からの出血が最も考えられたので1月15日に緊急手術を施行した.術中所見は、トライツ靱帯から20cmから300cmまでの部位に大小12個の辺縁平滑な粘膜下腫瘤を認めた。他に明らかな異常は認めなかった.多発小腸GISTと診断し、腫瘍8箇所を含む1mの小腸切除を行い、3ヶ所を腫瘍核出術、1ヶ所は楔状切除術を施行した。切除標本において最大の腫瘍は径70mmで、新旧の出血を伴い表層には破裂した露出血管を認めた。組織学的にはc-kit陽性の紡錘形細胞が錯状配列し増生しておりGISTと診断した.他の小腸腫瘍も同様の組織像であり多発GISTと考えられた。多発小腸GISTは比較的稀とされ、von Recklinghausen病に合併することが多いと報告されている。今回我々は同時性多発小腸GISTの一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 GIST, 小腸