セッション情報 一般演題

タイトル 52:

ロイナーゼ(L-Asp)が原因と思われた重症急性膵炎の一例

演者 平岡 昌晃(熊本大学大学院)
共同演者 伊藤 清治(熊本大学大学院), 田中 秀紀(熊本大学大学院), 永濱 裕康(熊本大学大学院), 桜井 宏一(熊本大学大学院), 田村 文雄(熊本大学大学院), 田中 基彦(熊本大学大学院), 山田 恭裕(熊本大学大学院 血液内科学), 立津 央(熊本大学大学院 血液内科学), 野坂 生郷(熊本大学大学院 血液内科学), 堀川 健太郎(熊本大学大学院 血液内科学), 麻生 範雄(熊本大学大学院 血液内科学), 満屋 裕明(熊本大学大学院 血液内科学), 佐々木 裕(熊本大学大学院)
抄録 症例は24歳、男性。平成17年12月に発症した急性リンパ性白血病にて5回の寛解導入療法(VCR/THP-ADR/CPM/L-Asp/PSL)を施行中であったが、非寛解状態であった。平成18年7月20日より6回目の寛解導入療法を開始したが、L-Asp(12000単位)5回目投与後の8月1日(day13)早朝より突然の上腹部痛が出現し、血清アミラーゼ値の上昇、腹部CTにて膵腫大、炎症所見認め急性膵炎と判断した(重症度スコア15点)。入院中であり、胆石もなく、L-Asp投与後であったことよりL-Aspが原因と考えられた。その後、急速に全身状態悪化し、午後には血圧も50台へ低下し全身状態不良になったため、同日ICU入室した。人工呼吸・CHDF管理の下ウリナスタチン、抗生剤(IPM/CS)等を投与開始し、翌日には血圧が上昇してきたため、メシル酸ナファモスタット、IPM/CSの動注療法を開始したところ、次第に全身状態改善し膵炎も沈静化した。その後晩期合併症である感染性膵壊死も認めず、膵仮性のう胞も増大なかったため、骨髄バンクドナーより骨髄移植目的にて近医転院となった。今回、急性リンパ性白血病の第一選択薬であるL-Aspが原因と思われる重症急性膵炎の一例を経験したので、若干の文献的考察を含めて報告する。
索引用語 ロイナーゼ, 重症急性膵炎