セッション情報 | シンポジウム1 |
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タイトル | S1-03:慢性肝疾患の経過中出現した48例103結節の2cm以下肝細胞癌のCTAP CTHA所見<本当に多段階発癌なのか> |
演者 | 岩本 昭三(医療法人 岩本内科医院) |
共同演者 | 実藤 隼人(北九州総合病院 病理) |
抄録 | 【目的】 従来本邦で信じられてきた多段階発癌説は、少しおかしいのではないのかと報告してきた。すなわち臨床的にはデノボ様に見えるものが多く、段階的に経過をおえるHCCは比較的少ない。近年、international consensusができつつあり、Dysplastic nodule → early cancer → HCCと分類されつつあるようである。early cancerでは間質浸潤、血管浸潤を重要視するとのことであるが、問題は、従来の21Gの細径針でのbiopsyでは、これは診断できない。CTAP、lowこそが重要な診断の元によるものと思える。今回はこれについて論じ、演者の考える肝発癌の経過を述べる。 【対象・方法】 1) 2.0cm以下のHCC48例103結節でのCTAP CTHA所見を検討した。 年齢48~85歳 男性34例 女性14例 HCV(+)39例 HBsAg(+)8例 LC24例 2) 16例25結節では、経時的にCTAP CTHAの変化を検討した。 【結果】 1) 103結節のCTAP CTHA所見 a) CTAP low CTHA high (Typical HCC) 94結節 b) CTAP low CTHA iso 5結節 c) CTAP low CTHA low 4結節 d)45%多発 ほとんどCTAP low CTHA high である。 2)経過をみた16例25結節 25結節中6結節は多段階の変化を示したが、19結節はデノボ様の出現であった。 【結論】 以上の結果より、HCCは臨床的には多段階の変化を示すものは比較的少なく、デノボ様の発癌を示すものが多いようである。すなわち発癌の過程は、細胞レベルですでに進んでいくのではないかと思われる。early cancerの診断には、門脈域の浸潤が重要とされているが、21Gの細径針の生検では無理とされているので、CTAP lowが重要であると思われる。 |
索引用語 | 肝癌, Angio-CT |