セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-その他 |
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タイトル | 消P-724:症候性巨大肝嚢胞の内科的治療の有用性 |
演者 | 三浦 正博(豊田厚生病院・内科) |
共同演者 | 森田 清(豊田厚生病院・内科), 大久保 賢治(豊田厚生病院・内科), 竹内 淳史(豊田厚生病院・内科), 金沢 宏信(豊田厚生病院・内科), 清水 潤一(豊田厚生病院・内科), 伊藤 隆徳(豊田厚生病院・内科), 竹山 友章(豊田厚生病院・内科), 橋詰 清孝(豊田厚生病院・内科), 西村 大作(豊田厚生病院・内科), 片田 直幸(豊田厚生病院・内科) |
抄録 | 【目的】肝嚢胞は腹部超音波検査やCT検査などでしばしば認められ,成因は先天性が多いが,その他寄生虫によるもの、外傷性、炎症性、腫瘍性、医原性がある.通常臨床的に問題となることは少ないが,嚢胞内出血,感染や捻転,破裂などの急性症状や,嚢胞の巨大化による腹部膨満感や腹痛の出現,胆管拡張などで治療を必要とする.今回我々は症候性巨大肝嚢胞の内科的治療の有用性を検討することを目的とした.【方法】対象は2005年8月から2011年8月までに治療を行った症候性肝嚢胞10症例で,性別は男1人、女9人、年齢は53-83歳(平均68.3歳)、腎嚢胞の併発は4例であった。存在部位は左葉2例、右葉8例.症状は嚢胞内出血・感染例が7例、腹部症状出現が2例、胆管拡張・肝機能障害が1例であった.肝嚢胞の最大径は8-17cm(平均11.8cm)で治療法は全例でエコー下に経皮的肝嚢胞ドレナージ術を行い,ドレナージ造影にて肝内胆管との交通があった1例を除きエタノール注入療法を施行した.純エタノール注入量は5-80ml/回,注入回数は1-4回(平均3回)であった.【成績】全例で嚢胞が縮小し症状の改善が得られ,現時点で再発を認めていない.症例を提示する.83歳女性,肝機能異常にて当院を紹介受診,腹部超音波検査及び腹部CT検査で肝右葉に12cm大の肝嚢胞及び肝内胆管拡張が認められたため入院となった.エコー下に経皮的肝嚢胞ドレナージ術を施行し,エタノール注入を計4回,総量75ml施行した後,肝嚢胞の縮小みられ,肝機能異常も改善した.【結論】症候性肝嚢胞の治療として開腹下肝嚢胞摘出術,腹腔鏡下開窓術,経皮的肝嚢胞ドレナージおよび硬化剤注入療法があるが,経皮的肝嚢胞ドレナージおよび硬化剤注入療法は非侵襲的で再発も少なく有用と考えられた.若干の文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 | 肝嚢胞, エタノール注入 |