セッション情報 一般演題

タイトル 184:

胃・大腸重複癌に合併した、膵内副脾に発生したepidermoid cystの1例

演者 鉾之原 英(鹿児島市医師会病院 消化器内科)
共同演者 田ノ上 史郎(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 中武 信純(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 岡江 耕二郎(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 伊東 徹(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 下川原 尚人(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 宇都宮 民治(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 岩切 裕二(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 内園  均(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 山口 淳正(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 門野 潤(鹿児島市医師会病院 外科), 田畑  峯雄(鹿児島市医師会病院 外科), 清水 健(鹿児島市医師会病院 病理診断科)
抄録 症例は65歳男性。全身倦怠感にて紹介医を受診しアルコール性肝硬変、腹水、黄疸にて入院した。入院後の上部内視鏡検査にて胃癌(IIc)を診断された。肝機能の改善を待って、当院へ紹介入院となった。術前精査にて上行結腸癌と膵腫瘍も発見された。CTにて膵尾部に造影効果の乏しい径2cm大の膵腫瘍を指摘された。MRIでは膵尾部に径3x2cm大の比較的辺縁の明瞭な腫瘍を指摘され、辺縁の一部が比較的強い造影効果を認めた。そのため悪性の可能性が高いと考え、胃全摘術・右半結腸切除術に加え、膵体尾部脾合併切除術を同時に施行した。切除標本では割面は褐色で、小さな多房性嚢胞を伴う腫瘤(大きさ径32x21x17mm)であった。病理組織所見では扁平上皮に覆われた多房性嚢胞の周囲に脾組織がみられ、epidermoid cystを伴った膵内副脾と診断した。副脾の存在については剖検例において10.8%に認めたという報告もあり、決して稀なものではない。しかし膵内副脾に嚢胞を形成した症例はまれである。術前に副脾に嚢胞を合併したと診断された症例は報告されておらず、膵腫瘍の鑑別の一つとして副脾の可能性を考慮すべき症例であった。
索引用語 副脾, 膵腫瘍