セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
111:食道表在癌に対するNarrow Band Imaging systemの有用性の検討
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演者 |
増成 暁(独立行政法人 国立病院機構 九州がんセンター 内視鏡科) |
共同演者 |
井野 彰浩(独立行政法人 国立病院機構 九州がんセンター 内視鏡科), 平田 文(独立行政法人 国立病院機構 九州がんセンター 内視鏡科) |
抄録 |
【目的】消化管の癌の早期発見および質的診断には、病変の表面の詳細な観察が必要不可欠であり、近年開発されたNarrow Band Imaging system(以下NBI)は、この微細な毛細血管構築を観察するのに適した検査方法である。今回NBIを用いることにより食道癌の早期発見が可能か、その拾い上げ診断を中心に検討した。【対象】2006年8月から2007年1月までに、当院で食道の内視鏡観察時にルゴール散布とNBI観察の両者を施行した70症例76所見。【方法】ヨード染色所見は5mm以上の境界明瞭な明らかな不染帯、いわゆるpink color sign陽性のものを、またNBI所見は5mm以上の領域を持った境界明瞭な茶褐色域(以下brownish area)を有意な所見とした。いずれかの方法で有所見であった食道粘膜に関しては、生検もしくは内視鏡的粘膜切除術にて全例病理組織学的診断が得られた。この判定基準にて、1.ヨード不染帯とbrownish areaの一致率、2.ヨード染色所見とNBI所見の不一致症例の検討、3.NBI検査による食道表在癌の検出率、の3項目について検討した。【結果】1.ヨード不染帯とbrownish areaの一致率は88.2%(67/76)であった。2.ルゴール散布ではヨード不染帯であったがNBI観察では正常でbrownish areaとして認識されなかった症例が9例あった。このうち7例(77.8%)は生検では炎症性変化という結果であった。残りの2例(22.2%)は生検で癌でありNBIの見逃し症例であったが、NBI画像に不慣れであったことが原因と考えられた。ルゴール散布では正常でNBI観察ではBrownish areaとして認識された症例は今回の検討では見られなかった。3.NBI検査による食道表在癌の検出率は90.9%(20/22)であった。【結論】NBI画像はやや暗めであり観察に若干の慣れを要するものの、食道表在癌の存在診断において有用な検査法であることが示唆された。 |
索引用語 |
NBI, 食道表在癌 |