セッション情報 一般演題

タイトル 136:

経過観察中に増大傾向と消化管出血を来した胃迷入膵の1例

演者 上原 正義(済生会熊本病院 消化器病センター)
共同演者 船越 禎広(済生会熊本病院 消化器病センター), 吉田 健一(済生会熊本病院 消化器病センター), 江口 洋之(済生会熊本病院 消化器病センター), 近澤 秀人(済生会熊本病院 消化器病センター), 宮瀬 秀一(済生会熊本病院 消化器病センター), 藤本 貴久(済生会熊本病院 消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院 消化器病センター), 須古 博信(済生会熊本病院 消化器病センター), 荒井 光広(済生会熊本病院 外科), 神尾 多喜浩(済生会熊本病院 病理)
抄録 症例は74歳、女性。平成17年2月の健診の胃透視で異常を指摘され、当院外来にて同年6月上部消化管内視鏡検査を施行した。その際、胃前底部大弯後壁寄りに約1.5cm大の頂部にびらんを伴う粘膜下腫瘍を認めた。超音波内視鏡検査では、病変は粘膜下層内にやや境界不明瞭な高エコー腫瘤として描出され、内部に管状の無エコー領域を認め迷入膵が疑われた。平成18年5月の内視鏡検査では大きさに変化はないが、表面に不整なびらんが目立ち、生検ではGroupIではあったが初回検査と形態変化を認めたため、6ヶ月後経過観察とした。同年11月の内視鏡検査では同病変は約3cm大に増大し潰瘍を形成していた。同日施行した生検ではGroupIのみであった。5日後に吐血で当院救急外来受診となった。5日間でHb11から5.6と低下する貧血を認め、緊急上部消化管内視鏡検査の結果同病変からの出血と考えられた。出血を来たし、潰瘍形成や増大傾向もあることから11月に幽門側胃部分切除術を施行した。切除標本では病変は胃前底部大弯後壁寄りに存在し、大きさは x cm であった。病理組織学的検査では、粘膜下層に大小の腺管が増生し、平滑筋結合織に取り囲まれた膵腺房が一部みられることから迷入膵と診断した。Langerhans島は認めず、Heinrich分類ではII型であった。出血を来した胃迷入膵は比較的稀であり、文献的考察を含めて報告する。
索引用語 胃迷入膵, 消化管出血