セッション情報 | シンポジウム3 |
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タイトル | 研-08:ダブルバルーン小腸内視鏡により止血しえた空腸angiodysplaの一例 |
演者 | 由茅 隆文(麻生飯塚病院・消化器内科) |
共同演者 | 松井 謙明(麻生飯塚病院・消化器内科), 本田 邦臣(麻生飯塚病院・消化器内科), 遠藤 伸吾(麻生飯塚病院・消化器内科), 村田 篤彦(麻生飯塚病院・消化器内科), 大内 二郎(麻生飯塚病院・消化器内科), 木村 光秀(麻生飯塚病院・消化器内科), 久保川 賢(麻生飯塚病院・消化器内科), 本村 廉明(麻生飯塚病院・消化器内科), 赤星 和也(麻生飯塚病院・消化器内科), 長家 尚(麻生飯塚病院・外科), 村里 嘉信(社会保険筑豊病院・内科) |
抄録 | 症例は82歳男性。心臓弁膜症,うっ血性心不全,ペースメーカー植え込み術後のため抗血小板薬,抗凝固薬内服加療中であった。H18.12.17より黒色便とふらつき、転倒を認めるようになったため12.22近医を受診。Hb 3.8g/dlと著明な貧血を認めたため、上部(EGD)及び下部(TCS)消化管内視鏡検査を施行したが、出血源は不明であった。徐々に貧血が進行するため繰り返し輸血(MAP計24単位)を施行したが依然Hb5.0 g/dlであった。H19.1.5再度TCSを施行したが、出血源は同定できなかった。小腸出血が疑われ、1.10精査加療目的に当院へ転院となった。1.11経口ダブルバルーン小腸内視鏡検査を施行し、Treitz靭帯より約1m肛門側に赤色凝結塊の付着を認めた。凝結塊を除去すると、小発赤を認め同部より湧出性出血が見られたため、angiodysplasiaからの出血と診断した。直ちに内視鏡下に高張NaCl-エピネフリン液(HSE)局注を行ったが止血しえず、電気的焼灼およびクリッピングを併用することにより止血し得た。その後下血及び貧血の進行を認めず、1.17退院となった。退院後2ヶ月経過したが再出血や貧血を認めない。消化管出血の中でしばしばEGD、TCSにて原因を特定できないものがあり、原因不明の消化管出血(OGIB)として取り扱われる。ダブルバルーン小腸内視鏡検査の登場により小腸が容易に観察可能となったのみならず、内視鏡的止血等の処置も可能となった。本症例のように顕性出血が続くようなOGIBはダブルバルーン小腸内視鏡検査の良い適応と考えられた。 |
索引用語 | ダブルバルーン小腸内視鏡, angiodysplasia |