セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 30:超音波内視鏡下穿刺吸引組織診(EUS-FNAB)が診断に有用であった直腸子宮内膜症の一例 |
演者 | 本田 邦臣(飯塚病院 消化器内科) |
共同演者 | 赤星 和也(飯塚病院 消化器内科), 遠藤 伸悟(飯塚病院 消化器内科), 村田 篤彦(飯塚病院 消化器内科), 大内 二郎(飯塚病院 消化器内科), 木村 光秀(飯塚病院 消化器内科), 久保川 賢(飯塚病院 消化器内科), 松井 謙明(飯塚病院 消化器内科), 本村 廉明(飯塚病院 消化器内科), 中村 和彦(九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学) |
抄録 | 【症例】39歳,女性.自覚症状なし.23歳時に子宮内膜症と診断され,治療歴あり.2006年9月,検診時の直腸診にて,直腸に腫瘤を触れたため,近医を紹介受診した.下部消化管内視鏡検査にて直腸に粘膜下腫瘍を認めたため,精査・加療目的にて10月5日当院を紹介受診した. 【入院時現症,血液検査】特記事項なし. 【画像所見】注腸X線検査にて,直腸 Ra 左壁前壁寄りに径20mm大の粘膜下腫瘍を認め,横走するヒダ(transverse rigding)を伴っていた.下部消化管内視鏡検査では,直腸 に表面平滑な径20mm大の粘膜下腫瘍を認め,やはりtransverse ridgingを伴っていた.超音波内視鏡検査(EUS)では,病変は第4層に連続する,比較的均一な低エコー性腫瘤として描出された. 【経過】画像所見と病歴上,子宮内膜症が疑われたが,診断確定のためEUS-FNABを施行した.NA11JK-B 22G穿刺針を用いて,第4層に連続する低エコー性腫瘤部を穿刺吸引した.病理組織所見では,子宮内膜に類似した異型に乏しい腺管とやや細胞性の内膜間質を認め,悪性所見は認めなかった.免疫染色にてエストロゲンレセプター,プロゲステロンレセプターともに陽性であり,直腸子宮内膜症と診断した.無症状であったため,無治療で経過観察を行う方針となった. 【結語】女性における直腸粘膜下腫瘍の鑑別診断として腸管子宮内膜症が挙げられるが,その組織診断にEUS-FNABが有用であった一例を経験したため,若干の文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 | 腸管子宮内膜症, EUS-FNAB |