セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-その他 |
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タイトル | 消P-727:当院における肝膿瘍症例の臨床的検討 |
演者 | 松浦 伸太郎(福井県済生会病院・内科) |
共同演者 | 真田 拓(福井県済生会病院・内科), 朝日向 良朗(福井県済生会病院・内科), 松田 尚登(福井県済生会病院・内科), 新 浩一(福井県済生会病院・内科), 渡邊 弘之(福井県済生会病院・内科), 野ツ俣 和夫(福井県済生会病院・内科), 登谷 大修(福井県済生会病院・内科), 田中 延善(福井県済生会病院・内科) |
抄録 | 【目的】今回、当院における肝膿瘍症例について臨床的検討を行った.【対象】2006年4月1日より2011年3月31日までの5年間に、当院で入院加療された肝膿瘍症例46例を対象とした.【結果】男性23例,女性23例で,平均年齢は72.0歳(32~91歳)で,65歳以上は33例(71.7%)あった.基礎疾患として肝胆道系疾患を26例(56.5%)で認め,うち7例が悪性腫瘍であった.糖尿病は10例で認めた.死亡例は6例(13.0%)で、平均年齢は80.5歳(73~88歳)と高齢であった.起因菌が明らかになった症例は23例(50%)で,うち4例(8.7%)で複数の菌が検出された.起因菌ではKlebsiella pneumoniaeの13例(28.3%)が最も多く,次いでE.coliの 6例(13.0%)であった.赤痢アメーバが検出された症例は認めなかった.画像上、33例(71.7%)が単発例、13例(28.3%)が多発例であった。治療では、17例(37.0%)で経皮的膿瘍ドレナージが施行されたが、膿瘍ドレナージ施行群と非施行群で平均在院日数は35.6日vs37.0日,死亡率は11.8%vs13.8%と明らかな差は認めない傾向にあった.抗生剤の選択に関しては、カルバペネム系と第3世代セフェム系が25例(54.3%)ずつ使用され,後者のうち10例(40.0%)では治療経過中にカルバペネム系に変更していた.採血検査値では、白血球上昇を32例(69.6%)で認め,CRPは全例で高値であった.肝胆道系酵素の上昇は、AST 28例(60.9%),ALT 26例(56.5%),γ-GTP 30例(65.2%),ALP 32例(69.6%)で認められたが、肝胆道系酵素がいずれも正常範囲内であった症例も5例(10.9%)で認められた.【結論】当院で経験した肝膿瘍患者は高齢者に多く,基礎疾患を有する症例が多かった.膿瘍ドレナージ施行群と非施行群で、経過や予後に大きな差は認めない傾向にあった。採血検査値では肝胆道系酵素の異常を認めない例も多く認められ,感染源不明の炎症反応高値を認める患者では鑑別が必要となると思われた. |
索引用語 | 肝膿瘍, 治療 |