セッション情報 一般演題

タイトル 226:

Sonazoid造影エコー法併用でラジオ波焼灼術を行った肝細胞癌の一例

演者 大座 紀子(江口病院 消化器内科)
共同演者 江口 有一郎(江口病院 消化器内科), 黒木 茂高(江口病院 消化器内科), 江口 尚久(江口病院 消化器内科), 小野 尚文(江口病院 消化器内科)
抄録 【はじめに】ドーム下に存在する肝細胞癌(HCC)の診断は超音波検査において死角となり,診断・治療に苦慮することがある。今回,ドーム下の肝S7に存在し,超音波B-modeで描出困難なHCCに対してSonazoid造影エコー法併用によるラジオ波焼灼術(RFA)を行った一例を経験した。【症例】65歳女性。近医でnon B non Cの肝硬変で通院中。腹部超音波検査で多発する結節を認め,当院紹介となった。血管造影下CTを行い,肝S7に径15mmのclassical HCC patternを呈する結節(CTAPではlow attenuation,CTHAでは早期濃染像と後期相のcorona sign)を認めた。超音波検査で指摘されたその他の結節は再生結節~過形成性結節と診断した。しかしこのS7のHCCは,通常の超音波検査では肺のアーチファクトもあり,腫瘤性病変としての描出は困難であった。そこで治療法として人工胸水下でCTのmultiplanar reconstruction(MPR)画像補助によるRFAを選択した。まず術中に人工胸水を作成し,通常の超音波B-modeによる観察で辺縁不明瞭な淡い低エコーの結節が認められた。次にSonazoid造影エコー法を行ってみると,この結節は明瞭な造影効果が認められた。そこでHarmonic B-modeに変え,この結節に対してCool-tip針を穿刺した。この状態でCTを行いMPR画像を作成し, 腫瘍の焼灼予想範囲を確認し焼灼した。治療後のCTでは充分なマージンをもって焼灼出来ていることを確認した。【まとめ】当院では,より正確な治療のために以前よりCT(MPR)補助下のRFAを施行しているが,必ずしも一般的に行えるものでは無い。本症例を通じて,Sonazoid造影エコー法は通常の超音波B-modeで描出困難な腫瘍に対するエコーガイド下腫瘍生検やPEIT-RFA治療にとって有用なアイテムになり得ると考えられた。
索引用語 ソナゾイド, 肝細胞癌