セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-症例報告1

タイトル 消P-728:

当院におけるC型急性肝炎5症例の検討

演者 日高 聡(愛媛県立中央病院・消化器内科)
共同演者 平岡 淳(愛媛県立中央病院・消化器内科), 清水 祐宏(愛媛県立中央病院・消化器内科), 田鶴谷 奈友(愛媛県立中央病院・消化器内科), 一柳 美紗(愛媛県立中央病院・消化器内科), 田邊 敦資(愛媛県立中央病院・消化器内科), 中原 弘雅(愛媛県立中央病院・消化器内科), 谷平 哲哉(愛媛県立中央病院・消化器内科), 長谷部 昌(愛媛県立中央病院・消化器内科), 宮本 安尚(愛媛県立中央病院・消化器内科), 二宮 朋之(愛媛県立中央病院・消化器内科), 道堯 浩二郎(愛媛県立中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】感染防止対策の進歩により近年本邦ではC型急性肝炎は激減している。最近のC型急性肝炎症例の感染経路と臨床的特徴を明らかにすることを目的とした。【対象・方法】2006年1月から2010年12月までの5年間で当院にてHCV-RNA陽性よりC型急性肝炎と診断した5例について病歴、検査結果を調査した。【結果】C型急性肝炎5症例のうち男女比は1対4で平均年齢は39.6(23-61)歳であった。感染経路は針刺し1例、覚せい剤1例、夫婦間感染1例、不明が2例であった。自覚症状は全例に全身倦怠感を認め、食欲不振を2例、腹痛を2例、微熱を1例認めた。症状出現から肝機能の最初のピークまでの期間は1週間から1カ月程度であった。ウイルス型はSerogroup1が3例(高ウイルス量2症例、低ウイルス量1症例)、Serogroup不明が2例(高ウイルス量2症例)であった。最高総ビリルビン平均は7.92mg/dl、最高AST平均839.4mg/dl、最高ALT平均1284.6mg/dl、最低PT平均76.2%であり重症肝炎症例は認めなかった。5例中4例に対し肝生検を施行し急性肝炎所見2例、慢性肝炎(F1A2)2例であった。5例全例で肝機能の2峰性変動を認め慢性肝炎への移行が示唆された。肝機能の最初と2回目のピークの間の期間は平均36.6(14-68)日であった。精神疾患のため経過観察となった1例を除く4例に対し、インターフェロン(IFN)治療を行った。IFN治療についてはIFNα2週連日投与後22週、週3回投与が1例。Peg-IFNα-2a単独48週投与が3例であった。投与開始1カ月目には全例HCV-RNAは陰性化しその後も持続陰性化している。IFNを施行しなかった1例は慢性化し外来経過観察中である。【結語】近年のC型急性肝炎の感染経路には輸血症例や術後症例はなかった。IFNで治療した全例で治癒したがIFN治療の時期、投与方法、投与量については今後の症例の集積が望まれる。
索引用語 C型急性肝炎, インターフェロン