セッション情報 一般演題

タイトル 8:

多発肝転移・リンパ節転移を伴う残胃進行癌に対し,化学療法が奏効した一例

演者 照屋 なつき(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 外科)
共同演者 奥島 憲彦(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 外科), 石田 友樹(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 外科), 天願 敬(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 外科), 西垣 大志(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 外科), 宮平 工(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 外科), 友利 健彦(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 外科), 西原 実(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 外科), 比嘉 良夫(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 内科), 折田 均(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 内科), 仲吉 朝邦(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 内科), 佐久川 廣(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 内科), 喜友名 正也(医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院 病理)
抄録 今回我々は,多発肝転移・リンパ節転移を伴う進行胃癌に化学療法を行い,原発巣・転移病変ともに著効を示した一例を経験したので報告する.
症例は74歳男性.平成4年に胃癌に対し幽門側胃切除+Billroth I法による再建が施行されている.平成18年9月,多発肝転移・リンパ節転移を伴う残胃癌と診断され,当院紹介受診となった.身体所見上は特に異常を認めず,血液検査にて肝機能障害とCEAの高値を認めた.上部消化管内視鏡検査(以下GIFと略す)で胃体上部小弯側を中心にBorrmann3型の腫瘍を認め,生検にて低分化型腺癌と診断された.腹部CTにて胃小弯側に腫瘤性病変あり,肝への浸潤が疑われた.超音波検査・CTにて多発肝転移,傍大動脈リンパ節転移を認め,T4,N3,H1,P0,CYX,M1,stageIVと診断した.外科的切除は不可能と判断し,TS-1 80 mg/body 2週投与2週休薬+CDDP 80 mg/body day8 投与を開始した.1クール終了後の腹部CTにて腫瘤の縮小と肝転移・傍大動脈リンパ節の縮小を認めた.4クール終了後の検査所見ではCEAの低下・肝酵素の正常化を認め,腹部超音波検査・腹部CTでは肝転移の著明な縮小あり,有意な傍大動脈リンパ節腫大はみられなかった.GIFでは,腫瘍は明らかに縮小しており,生検でも癌細胞は認めず,化学療法が奏効していると考えられた.CEAは285 ng/mlから5.0 ng/mlまで低下した.
索引用語 残胃進行癌, 化学療法