セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-症例報告1

タイトル 消P-729:

抗ウィルス治療後に特発性血小板減少性紫斑病を生じた慢性C型肝炎の1例

演者 藤本 昌澄(滋賀県立成人病センター・消化器内科)
共同演者 貴田 雅也(滋賀県立成人病センター・消化器内科), 戸田 泰信(滋賀県立成人病センター・消化器内科), 稲井 眞紀(滋賀県立成人病センター・消化器内科), 石原 真紀(滋賀県立成人病センター・消化器内科), 河合 敏秀(滋賀県立成人病センター・消化器内科), 水田 和彦(滋賀県立成人病センター・消化器内科), 武内 英二(滋賀県立成人病センター・病理診断部), 浅越 康助(滋賀県立成人病センター・血液腫瘍内科), 内海 貴彦(滋賀県立成人病センター・血液腫瘍内科), 鈴木 孝世(滋賀県立成人病センター・血液腫瘍内科)
抄録 症例は61才、男性。20才時に心房中隔欠損症で手術及び輸血歴あり。術後3カ月で肝炎を発症し、後にHCV感染が判明した。慢性C型肝炎(グループ1、高ウィルス量)に対して59才時よりペグインターフェロン及びリバビリン併用療法が行われた。24週時点でウィルスが陰性となり計72週の治療が行われたが、治療終了時点でもウィルスは陰性のままであった。治療前の血小板数は17万/μl台で、治療中に11万台にまで低下する事はあったが、終了時点では15万台であった。治療終了2カ月でウィルスは再陽性化し、それまで15万前後で推移していた血小板は減少し、最低で1万台になった。骨髄穿刺所見では巨核球数は保たれていたが、成熟型は減少していた。血中PAIgGの上昇、下腿の紫斑等の身体所見と併せて特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と診断した。抗ウィルス治療前より軽度の脾腫を認めていたが、ITP発症後も著変はなかった。HCV再陽性化と並行して血小板減少が認められており、HCVによる二次的な免疫異常によるITP病態が出現した可能性、元々ITP病態が存在していてIFN中止によりそれが顕在化した可能性等が考えられ、ピロリ菌除菌、IFN再投与、セファランチン、ステロイド剤、リツキシマブ、脾摘等が検討された。ピロリ菌抗体は陰性であり、血小板が少なすぎる為にIFN投与ができず、ステロイド剤やリツキシマブはウィルスに与える影響が危惧される等あり、まずセファランチンの内服が行われた。血小板数は当初1.5万前後で推移したが、3~4週後に2万以上になり、その後は徐々に増加して5万前後で安定し、HCV-RNA量は6Logコピー/ml(RT-PCR法)前後、GPTは20~30台で推移している。慢性C型肝炎の抗ウィルス治療後に特発性血小板減少性紫斑病を生じる症例は比較的稀であり、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 慢性C型肝炎, 特発性血小板減少性紫斑病