セッション情報 シンポジウム3

タイトル 研-02:

ESDにて切除しえたBarrett腺癌の一例

演者 村田 勝一郎(ハートライフ病院 消化器内科)
共同演者 折田 均(ハートライフ病院 消化器内科), 新城 勇人(ハートライフ病院 消化器内科), 比嘉 良夫(ハートライフ病院 消化器内科), 宮里 稔(ハートライフ病院 消化器内科), 仲吉 朝邦(ハートライフ病院 消化器内科), 佐久川 廣(ハートライフ病院 消化器内科), 喜友名 正也(ハートライフ病院 病理), 豊永 高史(岸和田徳州会病院 消化器内科), 石原 淳(中頭病院 消化器内科)
抄録 本邦で開発された内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection 以下ESD)は病変の大きさや局在を問わず、任意の範囲で確実な一括切除が可能な手技であり、主に早期胃癌の内視鏡的治療として普及しつつある。また、術前の病変部の進展範囲診断に対し、通常観察に加え色素内視鏡検査、狭帯域内視鏡システム(narrow band imaging 以下NBI)を用いることで、より多くの情報が得られるようになってきた。今回、我々は食道-胃接合部に発生したBarrett腺癌に対し、ESDを施行し良好な経過を得たので若干の文献的考察を加えて報告する。
症例は60歳代男性。2006年9月心窩部の違和感を自覚し、近医にて上部消化管内視鏡検査を施行された。食道-胃接合部にI+IIa病変を認め、生検にてGroupIV、高分化型腺癌疑いにて前医を紹介された。前医では同部位に10mm前後の発赤を伴ったIIa+IIc病変として認められた。病変部両端に柵状血管網を認めており、Barrett上皮由来の腺癌が疑われた。同年10月、ESD目的にて当院内科紹介となった。前医での陰性生検部位を参考に十分な安全域をとり、下部食道を含む接合部から噴門部にかけて切開剥離を施行した。呼吸と心拍で切除部位が動き、通電のタイミングに難渋したものの約3×4cmの検体を切除回収し、約2時間で手技を終了した。術後の経過は良好で、術後6日目より経口摂取を開始し、術後13日目に退院となった。病理組織学的所見はm2、ly0、v0、LM(-)、VM(-)であった。
索引用語 ESD, Barrett腺癌