セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
34:lansoplazoleが原因と考えられるcollagenous colitisの1例
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演者 |
広岡 さとみ(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 消化器科) |
共同演者 |
瀬尾 充(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 消化器科), 金 ヒョンジ(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 消化器科), 西条 寛平(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 消化器科), 松浦 隆志(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 内視鏡室), 相島 慎一(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 病理部), 松本 主之(九州大学大学院病態機能内科学), 飯田 三雄(九州大学大学院病態機能内科学) |
抄録 |
症例は、58歳男性。昭和40年頃より、胃十二指腸潰瘍を繰り返していた。平成16年5月、近医でH.pylori感染を指摘され除菌を行うも失敗。その後も心窩部違和感が持続していたため、同年8月よりlansoprazole内服開始となっていた。同年11月頃より、腹痛は認めないものの水様性下痢が出現し、下痢の回数が増加した。平成17年4月、他医にて入院、精査・加療を行うも、原因不明であったが、下痢の回数は減少していた。その後再び、下痢が悪化し、ふらつき、体重減少も認めるようになったため、平成18年5月に当院紹介となり精査、加療目的にて入院となった。下部消化管内視鏡検査にて全大腸において粘膜は一見正常であったが、横行結腸で拡張した血管の透見像を認めた。病歴より本疾患を疑い、回腸末端、横行結腸、直腸より生検を施行した。病理組織学的には、横行結腸と直腸に大腸粘膜の剥離と、粘膜上皮下にcollagen bandの沈着を認め、collagenous colitisと診断した。回腸末端には特異的所見は認めなかった。lansoprazole中止により、下痢は速やかに消失。4ヵ月後に施行した大腸内視鏡検査でもcollagen band は認めなかった。本例は臨床経過から、lansoprazoleを原因としたcollagenous colitisと考えられた。collagenous colitisは原因不明であるが、NSAIDs等の薬剤や自己免疫疾患との関連が報告されている。本邦でのcollagenous colitisの症例報告は稀であり、若干の考察を加えて報告する。 |
索引用語 |
lansoplazole, collagenous colitis |