セッション情報 |
ワークショップ1
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タイトル |
W1-04:色素内視鏡および特殊内視鏡による潰瘍性大腸炎のサーベイランス
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演者 |
松本 主之(九州大学 大学院 病態機能内科学) |
共同演者 |
八尾 隆史(九州大学 大学院 形態機能病理), 飯田 三雄(九州大学 大学院 病態機能内科学) |
抄録 |
【目的】潰瘍性大腸炎(UC)のサーベイランスにおける色素内視鏡と特殊光内視鏡の意義を検討する.【方法】1)1998年10月から2005年4月に罹病期間5年以上の全大腸炎型UC85例に色素内視鏡によるサーベイランスを施行し、一部では拡大内視鏡所見も解析した.生検部位は隆起性病変、色素内視鏡で認識された平坦病変、および平坦粘膜に大別した.2) 2005年11月から2006年12月に罹患期間5年以上の全大腸炎・左側大腸炎型UC47例にオリンパス社製NBIシステムと拡大内視鏡でサーベイランス内視鏡を施行し、腫瘍陽性例では自家蛍光内視鏡(AFI)観察も行った.NBI拡大所見は粘膜浅層血管と腺口開口部が確認できるもの(honeycomb-like:HC)、規則的な絨毛状粘膜(villous pattern:VP)、および大小のピットの混在(tortuous pattern:TP)に大別した.AFI所見は発色の程度によりAF正常部とAF低下部に分類した.【成績】1) 85例中14例で腺腫・dysplasiaが検出された.腫瘍陽性率は隆起性病変(n=140)で13.5%、平坦病変(n=45)で28.9%、平坦粘膜(n=1138)で0.3%であった.隆起型腫瘍性病変はIV型とVi型ピットが混在していたが、平坦な腫瘍性病変ではII型、IIIL型ないしVn型ピットが観察された.2)生検部位は隆起24病変、平坦粘膜は286病変で、NBIでは前者はHC9病変、VP11病変、TP4病変、後者はHC155病変、VP82病変、TP49病変と判定された.腫瘍陽性率は隆起性病変(25.0%)で平坦粘膜(1.7%)よりも高く、TP(13.2%)でHC・VP(1.2%)より高かった.腫瘍陽性2例では、AF低下部位11カ所のうち6カ所で、AF正常13カ所のうち3カ所で腫瘍が陽性であった.【結語】色素内視鏡と特殊光内視鏡によりUCに対するサーベイランスの効率が向上する可能性が示唆される. |
索引用語 |
潰瘍性大腸炎, 大腸癌 |