| セッション情報 |
一般演題
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| タイトル |
99:Cyclosporine投与後にニューモシスチス肺炎を発症した潰瘍性大腸炎の1例
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| 演者 |
松本 由華(九州大学大学院 医学研究院 病態機能内科学) |
| 共同演者 |
久保倉 尚哉(九州大学大学院 医学研究院 病態機能内科学), 古賀 秀樹(九州大学大学院 医学研究院 病態機能内科学), 深水 理恵子(九州大学大学院医学研究院病態機能内科学), 八尾 恒良(九州大学大学院医学研究院病態機能内科学), 松本 主之(九州大学大学院 医学研究院 病態機能内科学), 飯田 三雄(九州大学大学院 医学研究院 病態機能内科学) |
| 抄録 |
症例は50歳代男性。43歳時に潰瘍性大腸炎(UC)を発症。再燃緩解を繰り返していたが、46歳時より長期緩解を維持していた。2006年11月初旬より血便が出現、12月に入り下痢・腹痛が増悪した。prednisolone(PSL) 30mgで改善しないため、前医に入院となった。PSLを60mgへ増量し、中心静脈栄養・白血球除去療法も併用したが、症状改善しないため12月20日に当科転院となった。cyclosporine(Cs)2mg/kgを2週間持続静注した後、azathioprine 50mgの内服を開始した。Cs投与開始後、CMV再活性化を認めたため、ganciclovirを併用した。症状は緩徐にしか改善せず、PSL 45mgまで減量したところで、37℃台の微熱が出現した。胸腹部Xpに異常所見なく、各種培養は陰性であったが、β-Dグルカン 53pg/dlであったため、真菌感染症を疑いmicafungin投与を開始した。呼吸器症状はほとんど認めなかったが、発熱が増悪したため胸部Xp・CT検査を行ったところ、両肺に上肺野優位のスリガラス様陰影を認めた。ニューモシスチス肺炎を強く疑い、ST合剤を開始し、速やかな解熱、β-Dグルカンの陰性化、及び画像上の改善を認めた。その後はUCの経過も良好となり、PSL 25mgまで減量し3月6日退院となった。自験例のように、UCへの免疫抑制剤投与によりニューモシスチス肺炎を合併した症例は少数しか報告されていないが、死亡例も認められ、教訓的な症例と考えられたため、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
| 索引用語 |
潰瘍性大腸炎, ニューモシスチス肺炎 |