セッション情報 一般演題

タイトル 160:

Brunner腺過形成に腺腫を伴った一例

演者 小川 紘太郎(九州大学大学院 病態機能内科学)
共同演者 松本 主之(九州大学大学院 病態機能内科学), 城 由起彦(九州大学大学院 病態機能内科学), 古賀 秀樹(九州大学大学院 病態機能内科学), 矢田 親一朗(九州大学大学院 病態機能内科学), 江崎 幹宏(九州大学大学院 病態機能内科学), 王寺 裕(九州大学大学院形態機能病理学), 八尾 隆史(九州大学大学院形態機能病理学), 飯田 三雄(九州大学大学院 病態機能内科学)
抄録 症例は70歳代男性。平成18年5月に近医での上部消化管内視鏡検査で十二指腸に隆起性病変を指摘され、同年6月当科受診した。上部消化管内視鏡検査、低緊張性十二指腸造影検査では十二指腸第二部に立ち上がり明瞭で表面は比較的平滑な約2cm大の隆起性病変を認め、EUSでは内部にのう胞性変化を伴っていた。Brunner腺過形成を疑ったが、隆起の中央に発赤した陥凹を伴っていたことから、腫瘍性変化の可能性も考え、EMRを施行した。病理学的検査では病変の大部分はBrunner腺過形成からなっていたが、病変中央の一部は管状乳頭状増殖を示し、細胞異型、核異型が認められ腺種と診断した。術前に陥凹として認識された部分に腫瘍成分は存在しなかったことから、腫瘍の術前診断は困難であったと考えられた。Brunner腺過形成とBrunner腺種はしばしば、いずれも異型のないBrunner腺の増生を示す同一のものとして扱われており、その定義はしばしば混乱している。Brunner腺過形成に腺種成分を伴った病変の報告は少なく、今回我々は同様の症例を経験したので多少の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 Brunner腺腫, 腫瘍性変化